当然のことながら、保有する銘柄の株価が順調に上昇していくとは限りません。今回は、乗り換え株式投資法において「売買手数料」と「乗り換え失敗」をどう捉えるべきか、基本となる考え方を見ていきます。

株価を取り巻く状況が変われば、銘柄も再選択が必要に

最初に買った株をそのまま持っているだけでどんどん上昇していくのであれば、最初の銘柄選びだけが重要になります。しかし、そんなことはあり得ません。

 

前回、ひとつの銘柄の上昇力には限度があるという話をしましたが、乗り換えが必要なのは、銘柄そのものの理由だけにはとどまりません。買ってから時間が経つと、買ったときとは事業環境や社会情勢、世界情勢などが大きく変わってきます。そのため、当初思い描いていた株価上昇のストーリーが実現されないことも多いからです。

 

状況が変わったのならば、今の状況で利益上昇を目指せる銘柄を再び選択して、その銘柄に乗り換えることが効率的に資産を増やすことにつながっていきます。

 

しかし、投資初心者の方の中には、なかなか銘柄の乗り換えに踏み切れないという人もいます。その理由は、主に次のようなものです。

 

●せっかく厳選して買った銘柄なので愛着がある

●含み損になっているので、損失を確定したくない

●売買手数料がかかるのがもったいない

●乗り換えた結果、失敗したら後悔しそうだ

「売買手数料」や「乗り換え失敗」を恐れる必要はない

最初の2つについては、後の項目で詳しく説明しますので、ここでは売買手数料と乗り換えの失敗について解説しておきましょう。

 

売買手数料は銘柄の乗り換え効果で得られる利益に比べたら、ほんの小さなものです。たとえば、ある大手ネット証券の場合は、20万円超50万円までなら1回の取引の手数料は272円(税抜き)です。

 

保有銘柄を売却して新たな銘柄に乗り換えたとしても、売却と買付で2回分、合計544円(税抜き)しかかかりません(わずかな金額でかつ証券会社によって料金が異なるため、本連載では売買の実例では手数料は一切考慮していません)。

 

銘柄を乗り換えることによって、たとえば5万円でも利益を得られるなら、その100分の1の手数料を気にする必要はまったくないと言ってよいでしょう。

 

では、失敗についてはどうでしょうか。確かに、常に乗り換えが成功するわけではありません。新たに乗り換えた銘柄が下がり反対に売却した銘柄のほうは上昇して、「乗り換えなければよかった」ということもあるでしょう。

 

どんなに検討して厳選して買った銘柄でも下がることはあるので、こうした失敗を完全になくすことはできません。それでも、必要だと判断したときには乗り換えましょう。なぜなら、乗り換えに成功して、売った銘柄が下がり、乗り換えた銘柄が上がっていくケースでは、一気に資産が増え、気持ちの面でも大きく変わることがよくあるからです。

 

もし失敗したら、また次の乗り換えをすればよいだけです。ためらうことなく、積極的に乗り換えにチャレンジしていきましょう。

本連載は、2016年2月1日刊行の書籍『資金30万円を巨額資産に大化けさせる銘柄「乗り換え」株式投資法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書のケーススタディと本文で取り上げた銘柄の売買タイミングは、すべて「ライジングブル投資顧問」で提供している売買サポートの一例です。売買タイミングは、各コースで異なります。投資はご自分の判断で行ってください。本書を利用したことによるいかなる損害などについても、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

資金30万円を 巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法

資金30万円を 巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法

藤村 哲也

幻冬舎メディアコンサルティング

給料がなかなか上がらない、預貯金をコツコツ貯めてもほとんど増えない――。資産運用の難しい時代です。 株式投資は、実は資産を安定的に大きく増やせる“堅実”な運用術です。安定運用のコツはただひとつ。上手に銘柄を「乗…

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