増税、インフレ……多額のお金を持っているほど、資産を「守る」ことが難しくなった現代。そんな中、欧米の超富裕層は資産を「守り増やす」ための投資対象として、「アンティークコイン」を盛んに売り買いしています。連載第1回目は、そんな「アンティークコイン」を取り巻く現状などを見ていきます。

最も安心できるのは「手元に置いておける資産」!?

今、アメリカをはじめとして、世界中の超富裕層の人々から求められているのが“現物資産”です。さまざまな資産を保有したうえで、最も安心できるものとして、自分の手元に置いておける資産にたどり着くのでしょう。

 

そして、最近になって超富裕層からの人気が集中し始めているのがアンティークコインです。

 

彼らは、基本的にオークションでコインを購入します。大きなオークションがあると、必ず参加して、特に世界に数枚しかないような、アッパーグレードのコインを狙って購入しています。

 

オークションが開催されるときには、必ず、そのオークションに出品される商品のカタログが作成されます。出品される商品の中で、最も注目されるコインがカタログの表紙を飾ります。超富裕層の人は、表紙に掲載されたコインを狙います。それを買えば間違いないと考えているのです。それだけオークション会社が信頼されているということでもあります。

 

結局、表紙に掲載されたコインは注目を集め、たくさんの富裕層がオークションに参戦。一気に値段が上がります。大抵のオークションでは、落としどころの価格が表示されているので、その価格を目指して値がつり上がっていきます。その様子はネット上から見ることができます。

既に始まっているペーパー資産から現物資産へのシフト

富裕層が購入する現物資産は、コインだけではありません。ワイン、宝石、絵画や彫刻など、さまざまなものを購入します。筆者の知り合いの富裕層の中の一人も、なんと17億円の絵画を購入したと言っていました。やはり、現物資産に資産をシフトしたほうが、安心だと考えているようです。

 

その人の年収は17億円程度ですから、超富裕層とはいえませんが、スタートラインとして、そのようなものを購入している人もいるわけです。本物の超富裕層になれば、さらにひとケタ上のものを購入しています。

 

日本は、政治的にも経済的にも比較的安定していますが、国の借金が莫大であることは、国内の多くの富裕層が気にしていますので、ペーパー資産から現物資産にシフトしているわけです。

 

アメリカの富裕層は、米ドルの危うさを心配しています。アメリカ人の富裕層が信用しているのは不動産か金貨です。そのどちらかしか信用していません。ペーパー資産は信用していないので、米ドルなど問題外なのです。

 

米ドルを信用していないということは、アメリカ人は自分の国を信用していないということであり、超富裕層は次々と海外に出て行っています。富裕層の知人も、アメリカへ移住することなど考えられないと言っています。理不尽に逮捕されたり訴訟されたり、非常に危険な部分があることも一因のようです。

 

富裕層が買う現物資産というのは、簡単に言えば、オークションの対象になっているものがほとんどです。オークションでは、野球選手のカードやサインボール、コミックのレア本など、マニアックなものも多く対象となりますが、投資対象として考えるのであればコインが一番ですし、コインを購入している人は明らかにコレクションよりは投資の対象として考えています。

 

現在日本でコインを買っている人は、まだ趣味の範囲でコレクションをしている人が多いようですが、海外では投資対象と考えている人がほとんどなのです。日本はまだそこまで追い付いていませんが、いずれ海外と同じ状況になることは、間違いないでしょう。

 

本連載は、2016年2月12日刊行の書籍『超富裕層だけが知る資産防衛の裏ワザ アンティークコイン投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

超富裕層だけが知る 資産防衛の裏ワザ アンティークコイン投資

超富裕層だけが知る 資産防衛の裏ワザ アンティークコイン投資

石山 幸二

幻冬舎メディアコンサルティング

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