米国で課税の繰り延べができる「1031エクスチェンジ」とは?

今回は、米国においてキャピタルゲイン税を繰り延べしながら資産を大きくしていける制度「1031エクスチェンジ」と、チャリティによって税金の支払いが免除される制度について見ていきます。

米国内であれば利用できる「1031エクスチェンジ」

税の繰り延べ効果が得られる「1031エクスチェンジ」は、同じ不動産投資でも、あくまでも投資物件を対象としたルールです。したがって住居用の物件には適用されません。

 

例えば、小さな20万ドルくらいのアパートを買い、倍の40万ドルになったところで売却したら、20万ドルの利益が生じます。普通は、この20万ドルに対してキャピタルゲイン税がかかるわけですが、180日以内に、売値である40万ドルの物件と同等、あるいはそれ以上の値段の物件を買えば、キャピタルゲイン税を繰り延べしましょう、というルールです。

 

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もちろん、都合よく次の物件が見つかるかどうかは分からないので、売り手が「この物件は1031エクスチェンジで、次に買う物件が見つかるまでは売ることができません」という条件をつけることはよくあります。売りが成立した時点から、45日以内に次の購入物件を選定し、トータル180日以内に購入取引を完了しなければならないということです。45日目、または180日目が週末や祝日と重なっても、期限はそのまま適用されます。

 

結構、複雑なルールがあるのですが、それをスムーズにするため、買い手にもお願いし、協力してもらいます。だから1031エクスチェンジの物件は、エスクローがなかなかクローズしないケースが多いのです。

 

こうして税金を繰り延べしながら同じことを繰り返していきます。20万ドルで買ったものが40万ドルになり、今度はそのキャピタルゲインを使って40万ドルの物件を買う。このように、キャピタルゲイン税を繰り延べしながら資産を大きくしていきます。

 

この制度は、米国内であれば、州をまたいだ取引にも適用されます。つまり、1031エクスチェンジとは、不動産流通を拡大させるための税制的な優遇措置なのです。ただ、これはあくまでも米国の税制上のルールなので、日本に居住する投資家の人たちは、日本の税制にのっとって日本で税務申告する義務があります。

チャリティに寄付すれば納税義務は発生しない!?

米国の居住者は、1031エクスチェンジを利用すればキャピタルゲイン税を繰り延べることができますが、あくまでも繰り延べですので、いつかは儲けに対する税金を支払わなければなりません。しかし、その儲けをチャリタブル・トラストという信託にすれば、税金の支払いが免除されるという制度もあります。本来、払わなければならないキャピタルゲイン税を払わなくても済むのです。

 

ただし、自身が亡くなった時には、チャリタブル・トラストに信託したお金を全部チャリティに寄付する必要があります。もちろん生きている間は、自分自身への配当として、お金を引き出すことは可能です。

 

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国としては、大学や教会などをもう少し修繕したいけれどもお金がない。そのため税制上、本来、税金を払うべき人の支払いを免除する代わりに、チャリティとしてその額をそちらにまわすという仕組みです。自分自身にとっても社会にとっても、一見都合がよさそうなこの仕組みのなかで、都合が悪くなる人がいるとすれば、その家族ではないでしょうか。「お父さんはよいかもしれないけれども、僕たちはどうなるの?」ということです。

 

しかし、その対策方法もあります。儲けた3000万円から、例えば毎月30万円ずつ引き出したとします。その30万円のうちの5万円くらいで、定期保険か何かを買い、もうひとつ生命保険信託などを作って、受取人を子ども名義にしておけばよいのです。このような信託のルールがしっかり構築されている点も、米国不動産に投資するメリットのひとつといってもよいでしょう。

本連載は、2014年10月3日刊行の書籍『本命 米国不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、出版社、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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連載米国不動産投資が「本命」といえる理由

リーバンズコーポレーション 会長

1953年生まれ。米国在住35年。カリフォルニア州を拠点に保険・証券・不動産・ファイナンシャルアドバイザーとしてキャリアを積み、2002年、ロサンゼルス郊外のトーランスにリーバンズコーポレーションを設立。豊富な不動産の販売・仲介・管理実績を持ち、米国居住者以外の信託活用法など、不動産保有にかかる関連アドバイスにも強みがある。

著者紹介

本命 米国不動産投資

本命 米国不動産投資

ニック 市丸

幻冬舎メディアコンサルティング

成熟経済であり、人口も減少フェーズに入った日本では、国内市場のパイは縮小を続け、不動産マーケットの未来も決して明るくはない。さらに1000兆円を超える財政赤字、超高齢化社会における社会保障費の増大、特に富裕層をター…

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