現金を不動産(建物)にすると、なぜ節税効果が得られるのか?

前回は、不動産を購入して贈与するメリットを説明しました。今回は、現金を建物に変え、評価額を下げることで得られる「節税効果」について見ていきます。

建物は建築費の半分以下の評価になることも多い

建物は、相続時には実際にかかった建築費用ではなく、固定資産税評価額で評価されます。固定資産税評価額とは、市町村の税務課(東京都23区の場合は都税事務所)にある固定資産課税台帳に登録してある土地や建物の評価額のことです。固定資産税評価額は、次のような税金を計算するときに使います。

 

(a)固定資産税や都市計画税の税額

(b)不動産取得税や登録免許税の税額

(c)相続税や贈与税を計算するときの土地や建物の評価額

 

固定資産税評価額は、国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて市町村が決定します。一般的には、評価額は土地については時価の60~70%(公示価格の70%)、建物については建築費の40~50%ぐらいだとされていますが、現実の評価はこの割合以下のことが多いので、建物の建築費の半分以下になることもあります。

建物は「親の現金」かつ「親名義」で建てる

自宅を建てる場合に、誰の名義にすればいいかというご相談を、多くの方からいただきます。住む方の状況にもよりますが、相続税の節税という点から考えると、「親の現金」で「親名義で建てる」と、節税につながります。

 

二世帯住宅を建てる際など、ローンは子供のほうが借りやすいからという理由で、親の土地に子供名義で住宅を建てることがあります。これでは、親の現金は減りませんので親の節税にはならず、結果的に相続税を払うことになります。

 

親の現金を使うことに抵抗があるかもしれませんが、現金に余裕がある場合は、建物代金に使うことで節税になります。

賃貸住宅に使うと固定資産税評価額の70%の評価に

建物を賃貸していれば、貸家となり、借家人が存在する場合の家屋の評価額は、借家人に一定の権利があるものと考えられ、借家権割合30%を引くようにします。これが借家権割合の減額です。よって貸家は固定資産税評価額の70%として評価されることになります。

 

土地にも貸家建付地評価ができるので、賃貸住宅の建築代金や土地代を支払う際、子供名義ではなく親名義にしておき、親の現金を利用できると、大きな節税につながります。

 

本連載は、2012年2月28日刊行の書籍『図解でわかる相続税を減らす生前の不動産対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載相続税を減らす生前の「不動産対策」基礎講座

公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士 

相続コーディネーターの創始者として1万3000件以上の相続相談に対処。 感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続"を提案し、 家族の絆が深まる「夢相続」の実現をサポートしている。 株式会社PHP研究所勤務後、昭和62年不動産会社設立、相続コーディネート業務を開始。 平成12年NPO法人設立、内閣府認証を取得。 平成13年に相続コーディネートを業務とする法人を設立、 平成15年に東京都中央区八重洲に移転し、平成20年に社名を株式会社夢相続に変更。

著者紹介

図解でわかる 相続税を減らす生前の不動産対策

図解でわかる 相続税を減らす生前の不動産対策

曽根 恵子著 税理士法人チェスター監修

幻冬舎メディアコンサルティング

相続税の対象となる財産の5割以上が不動産です。誰も住まない土地を引き継ぎ、多額の相続税の支払いに頭を悩ますケースなど、不動産には多くの問題がある一方で、評価の仕方、活用の仕方次第で大きく節税でき、収益を生み出す…

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