手塩にかけて育ててきた会社の株価評価のジレンマ

「事業承継は株式承継」といわれるほど、承継時の株価対策は重要ですが、好業績の企業ほど株価評価が高く、事業承継が困難になるというジレンマがあります。

好業績を誇ってきた自社株式の高騰にビックリ!

「長年にわたる我が社の発展が、まさか事業承継のマイナス要因になるなんて・・・」

 

会社イコール人生そのものというくらい苦労を重ねて発展させてきたオーナー社長にとって、事業承継のことを知れば知るほど、気分は落ち込んでしまうもの。それもそのはず、会社の売り上げや利益が上がるにしたがって株価も上昇してきたので、仮にいま事業承継をすると思いがけないほどの税金がかかってしまうことになるのです。
 
「今年もこんなに株価が上がりましたよ」――毎年決算期になると税理士さんの評価を聞き流しながら、何となく褒められた気分になっていたオーナー社長。事業承継を機に株価、ひいては企業の財務体質を見直す必要があるのです。計画的に承継時のタイミングを計って株価を引き下げないと、儲かっている会社ほど多くの税金を課せられます。

会社の規模調整などで株価対策ができる場合も

ここではまず多くの中小企業が採用している非上場会社の株価が決まる仕組みについて解説しましょう。
 
非上場の取引相場のない株価の評価方法は、株主の属性により、おおまかにいって、
(1)同族株主が相続や贈与で株を取得する場合
(2)同族株主以外の少数株主が取得する場合 の2つに分けられます。
 
(1)同族株主が株を取得する場合は、「純資産価額方式」か「類似業種比準価額方式」または「2つの併用方式」のいずれかの評価方法を使って株価を決定します。
 
(2)同族株主以外の株主が取得する場合は、少数株主の権利は配当を中心にした権利に限定されるので「配当還元価額方式」で株価を決定します。
 
事業承継の株価に関係してくるのは(1)の同族株主が株を取得する場合で、会社の業種(卸売・サービス、その他業種)や規模(取引金額や純資産価額・従業員数)によって、3つの方式のいずれを使えるかが決まります。

 

したがって、会社の規模などを調整することができれば、株価を低く抑えて節税効果がでる株価方式を採用できるようにする、といったことも考えられます。

本連載は、2012年12月19日刊行の書籍『オーナー社長のための税金ゼロの事業承継』から抜粋したものです。2015年1月1日施行の税制改正は反映されておりませんので、ご留意ください。

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連載オーナー社長のための税金ゼロの事業承継

GTAC(ジータック)とは、株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/(写真は代表取締役の山下征孝)

著者紹介

オーナー社長のための 税金ゼロの事業承継

オーナー社長のための 税金ゼロの事業承継

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

事業承継の成功は自社株式を制することにあり ムダな税金を払わずに後継者に事業を譲り渡す。その秘訣は自社の株価を極限まで引き下げることにあった。「一年分のオフィス賃料は一気に払う」「高収益部門を分社化して本体の利…

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