不動産会社が集客ツールとして「事故物件」を使う理由

前回は、現在の不動産市場における「物件が少ない」という声について、その真偽を検証しました。今回は、不動産営業の裏側を見ていきます。

「実際には売れなくとも集客力がある」物件とは?

物件には様々な特徴があります。中には、「実際には売れなくとも集客力がある」という物件も存在します。こうした物件は広告向きです。なお、ここでいう広告とは収益不動産専門のポータルサイトに掲載される情報を指します。

 

たとえば、大きなデメリットを抱えていても利回りが突出して良い物件は、ポータルサイトなどの検索でヒットする可能性が高いという強みを持っています。「ほとんど人が住んでいない」とか「事故物件(自殺や事件があった部屋。賃貸では入居者に、売買では売主に対する告知義務がある。なおこれを告知事項といいます)である」といった重大な欠陥を抱えているにもかかわらずです。

 

なぜなら告知事項は、紙資料には詳細が記載されるものですが、不動産業界の商慣習上、ポータルサイトでは詳しく触れないのが一般的だからです。不動産会社は、こういった物件を不動産投資家を惹き付けるための集客ツールとして使います。

 

不動産投資家が検索キーワードとして入力しそうな「地域」や「価格帯」、「物件規模」などに当たりをつけて広告を出していくのです。並べている情報は、その不動産業者と肌が合うかを判断させるために用意しているだけで、本気で売るためのものではありません。

 

つまり、買い手となる不動産投資家の購買行動を先読みしているわけです。

広告とは別の物件を紹介するのが、物件営業の基本!?

集客力が最も強い要素となるのが、「利回り」です。ですから多少欠陥を抱えていても利回りが高ければ広告を出し、それをフックに顧客を自社に呼び込みます。そしてそこから、「どのような物件をお探しですか?」と営業を開始するわけです。

 

利回りの高い物件を入り口として顧客を集め、広告とは別の物件を紹介していく。これが不動産会社における物件営業の基本です。

本連載は、2015年10月26日刊行の書籍『万年赤字物件を驚異の高値で売る方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

富士企画株式会社 取締役兼営業部長

1972年、福岡県北九州市生まれ。デザイン学校を卒業後、住宅設備会社勤務を経て、不動産投資専門会社に入社。トップ営業マンとして、1,000件以上の物件売買に携わる。2012年、富士企画株式会社を設立。現在は、個人投資家向けに不動産投資のアドバイスや物件紹介、購入後のサポートを行っている。

著者紹介

連載万年赤字物件を高値で売る「知識とノウハウ」

万年赤字物件を 驚異の高値で売る方法

万年赤字物件を 驚異の高値で売る方法

新川 義忠

幻冬舎メディアコンサルティング

不動産投資ブームが過熱する中、多くのサラリーマン投資家が誕生しています。家賃収入で不労所得を得たい・・・皆、そんな夢を描いて収益不動産を購入するのですが、誰もが成功しているわけではありません。 そもそも、全国の…

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