資産のポートフォリオにおいて不動産は何割くらいが適切なのか?

前回は、所有する不動産が「収益資産」と「不良資産」のどちらに当たるかを説明しました。今回は、不動産を含む資産のポートフォリオについて、適切なバランスなどを見ていきます。

今や不動産の価格下落は避けられない

さて、もしもあなたが昔からの地主で、土地というものは存在するだけで価値があると信じていて、先祖代々受け継いできた土地は一片たりとも手放さないという頑なな思想を持っているのであれば、それはそれでかまいません。

 

しかし、不動産は資産の一部にすぎないという、ごく普通の合理的で相対的な考えを持てるのであれば、不良資産をいつまでも抱えていることは、自分の財産を徐々に減らしていくことにしかならないと、すぐに気づくはずです。

 

ご先祖様から受け継いだ財産というものは、かたちを変えずにそのままいつまでも保管しておくことが絶対的に正しいわけではありません。財産を受け継いだ人は、自らの才覚によってそれを増やし、また子孫へと伝えていく義務があるのではないでしょうか。

 

そのためには、今や価格下落は免れない不動産というものに、いつまでもこだわり続けるのは、あまり賢い方法とはいえません。全ての不動産を手放す必要はありませんが、財産の割合として50%を超えるような分は、有価証券など別の形で保持しておくほうが財産保全の意味では役に立つのではないでしょうか。

 

もちろん、多少とはいえプラスになっているのだから、どんなに古くても賃貸アパートなどを手放したくないという方もいます。

 

実際に、弊社の周辺の地主さんたちは、あまり不動産を手放したがらず、地価が下がり続けて資産総額が減少していくのを、手をこまねいてじっと見ています。生活費には困っていないから、それでもいいと思っているのでしょうが、筆者には歯がゆくてなりません。

ポートフォリオが大きく不動産に偏っていないか?

地主さんたちの資産は、その90%が不動産です。不動産の金額が高いために、どうしても資産のポートフォリオが偏ってしまうのです。5000万円の預金と、5000万円の有価証券があっても、不動産の資産価値が9億円あれば、ポートフォリオは大きく不動産に偏っていることになります。

 

資産の保全という観点から考えたときに、そのような偏りは不安のもとです。なぜならば、もしもバブル崩壊時のように不動産価格の暴落が起きて、その価値が半分になってしまったとしたら、資産総額も半分になってしまうからです。

 

このようなリスクを避けて、資産を分散させることを「卵は一つの籠に盛るな」と呼んでいます。持っている卵を全て一つの籠に入れて持ち運んでいると、運悪く籠を落としてしまったときに、全て同時に割れてしまうからです。そのため、多くの籠に卵を分ける分散投資が、資産保全の正しいあり方とされています。

 

筆者自身も不動産会社の経営者として、資産の多くを不動産で持っていますから、人のことはいえません。しかし、筆者も今年で55歳。そろそろ老後を見据えて徐々に不動産を売却していこうと考えています。

 

もともと不動産を多く持っていた人にお勧めする、筆者の考える理想のポートフォリオは、不動産50%、有価証券30%、現金・預金が20%の割合です。

 

資産総額10億円の方であれば、5億円の不動産、3億円の有価証券、現金・預金が2億円ということになります。また、現金・預金と有価証券のうち半分は外貨で持っておくほうが、より分散ができるでしょう。不動産も、半分は海外不動産のほうがよいかもしれません。

 

人によっては別の割合を勧める人もいますから、必ずしもこのとおりでなくてもかまいませんが、とにかく一つの資産に5割以上をあてないことが大切だと思います。

本連載は、2016年1月29日刊行の書籍『「ワケあり物件」超高値売却法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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株式会社アズ企画設計 代表取締役

東京都渋谷区に生まれる。実家は渋谷区神宮前で鰻屋を経営。 中央大学を卒業後、複数の不動産会社に勤務し、1993年にアズ企画設計を川口市に設立。 「空室のない元気な街を創る」を経営理念として、賃貸、売買、ビジネスホテルなどのビジネスを幅広く手がける。

著者紹介

「ワケあり物件」超高値売却法

「ワケあり物件」超高値売却法

松本 俊人

幻冬舎メディアコンサルティング

「駅から遠い、築年数が古い、ごみ収集所が近くにある――そんな物件を持つオーナーは、高値売却の方法について頭を悩ませているのではないでしょうか。本書では、どんな「ワケあり物件」であっても優良物件に変える巧みな「演…

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