動物病院の集客率を左右する「クレーム」への対応法

前回は、診察時間の設定と受付対応で変わる集客率について説明しました。今回は、顧客を減らさないための「クレーム対応」の留意点について見ていきます。

クレーム対応の失敗は、時に訴訟にまで発展

前回に引き続き、動物病院を繁盛させるためのポイントを見ていきます。

 

【12】適切なクレーム対応
近年、ペットの飼い主の権利意識が高まったことに伴って、動物病院との間にトラブルが発生するケースが増えています。

 

トラブルが訴訟にまで発展することは、その対応のために膨大な時間とコスト、手間がとられることを考えると、極力、避けることが望ましいのはいうまでもありません。「あの病院は飼い主に訴えられている」などと悪評の原因にもなり、集客にとってもマイナスです。

 

そもそも、訴訟になるほど飼い主と動物病院との関係がこじれてしまうようなケースでは、病院側が、飼い主の抱いている不満に対して、真摯に対応していないことが原因となっている場合がほとんどです。

 

そこで、トラブルが大きくなるのを防ぐためには、飼い主の不満の原因を理解して、それを解消するよう努めることが必要といえます。もっとも、互いのコミュニケーションが十分にとれていないような場合には、飼い主側の不満の原因をはっきりと把握できないことがあるかもしれません。

飼い主と積極的に話し合い、不満の原因を取り除く

一般論としては、動物病院のクライアント(飼い主)が、通常、診療サービスもしくはサービス料について不満をもつのは、以下に挙げるような場合であるといわれています(M・T・マッククライスター、A・ミッジレー著「動物病院スタッフ教育ハンドブック」チクサン出版社より一部をアレンジして引用)。


【診療サービスに関して】


①クライアントまたはペットに対して、病院のスタッフの中に親身になってくれない人がいると感じた場合。
②病院のスタッフが、クライアントの要望したサービスを、完全にやりとげなかった場合。クライアントは複数のサービスを要求したが、そのうちの一つ(またはそれ以上)が忘れられたり、省略された場合に起こる。
③サービスの内容がクライアントを満足させるに至っていない場合。たとえば、シャンプーを行ったのにペットが汚れた状態で戻ってきたとか、薬浴後にもまだノミがいるなど。
④病院の行ったサービスが原因で、望ましくない結果になった場合。たとえば骨折の治療としての手術は成功したが、患者(ペット)が狂犬病ワクチンに対するアレルギー反応を引き起こして死亡したとき、など。

 

【サービス料に関して】


①見積もりとして出されていたものとは異なる料金を請求した場合。
②クライアントが、サービスを受けたにもかかわらず、その価値を認めることができなかった場合。

 

もし、これらのいずれかに該当すると考えられるのであれば、積極的に飼い主と話し合って確認するなどして、不満の原因を取り除く必要があるかもしれません。

本連載は、2014年8月27日刊行の書籍『どうぶつ病院を繁盛させる50の方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載動物病院を繁盛させる経営の鉄則50

百瀬弘之税理士事務所 代表

1957年東京生まれ。税理士。2003年から動物病院開業コンサルタント業のahed社と提携。
経営と税務会計、両方の視点から独自のコンサルティングを行うことにより、これまでに数十軒の動物病院の経営を成功へと導いている。
趣味はギター。東京税理士会「ゆがみBAND」ベーシストとしても活動中。

著者紹介

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

百瀬 弘之

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医の時代はたとえ給料は安くても、独立して動物病院を開業すれば十中八九成功が約束されていた獣医師。 ペットブームの恩恵を受けて市場を拡大し続けてきた獣医師業界ですが、近年の動物病院の増加により飽和状態に。さら…

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