その他 ドクター向け
連載動物病院を繁盛させる経営の鉄則50【第8回】

診察時間と受付対応が動物病院のリピーター数を左右する理由

動物病院診察時間

診察時間と受付対応が動物病院のリピーター数を左右する理由

前回は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用した集客方法について説明をしました。今回は、診察時間の設定と受付対応で変わる集客率について見ていきます。

診察時間の差別化で競合病院以上の集客を目指す

前回に引き続き、動物病院を繁盛させるために押さえる「集客」について見ていきます。

 

【10】24時間オープンも! 地域に合った診療時間

集客のための工夫としては、病院の診療時間を、開業した地域のニーズに合わせて設定することも一つの選択肢となるでしょう。たとえば、首都圏を通勤範囲とする郊外のベッドタウンなどでは、都心などで働いている人が、平日の昼間にペットを近くの動物病院に連れていくことは困難です。そこで、そのような人たちが会社から帰宅した夜遅くでも、動物病院で診療を受けられるよう、開院時間を夕方から深夜の時間帯に設定することが考えられます。

 

実際、筆者のクライアントの先生の中には、そのような試みを行っている方がおり、周囲の競合病院に比べて多くの患者さんを集めることに成功しています。また、さらに一歩進めて、24時間オープンにしてみることを検討してみてもよいかもしれません。帰宅が深夜になる人や、あるいは朝、会社に行く前にペットを診てもらいたいという飼い主さんなどには間違いなく重宝されるはずです。もっとも、診療時間を夜間中心に設定したり、あるいは24時間オープンにするためには、スタッフの確保や人件費の問題もあるでしょうし、特別な設備投資が必要となるかもしれません。

 

また、24時間病院を開くことに対しては、テナントの場合、オーナーがいやがる可能性もあります。さらに早朝、夜間の開院に対しては、近くの住人から苦情が出るおそれもあるので、近隣対策も求められます。診療時間を24時間あるいは夜間や早朝にすることを検討する場合には、そうした問題やコスト、対策の必要性も考慮しながら、結論を導き出す必要があります。

「また来よう」という気持ちにさせるのは受付次第

【11】受付は病院の顔

集客をアップするためには、「わざわざ足を運んでくれた患者を逃がさない」ことも大切となります。そのような観点からは、病院の「顔」ともいうべき受付が、ペットの飼い主に対して与える印象が非常に重要となります。

 

受付の印象の重要性をご理解いただくために、動物病院の評判が書き込まれている、インターネット上のある掲示板の中から、受付への「よい印象」について述べている書き込みと、「悪い印象」について述べている書き込みをそれぞれ抜き出してみましたので、まずはご一読ください(元の文章を一部アレンジしています)。

 

●よい印象について述べている書き込み

「○○動物病院はこぢんまりとした病院ですが、受付の方も先生も、とっても気さくな方々で先生と受付の方も仲が良いのがこちらからでもわかる程、アットホームな感じです。受付の方も先生も愛犬にも話しかけてくださり愛情も感じられます!!」

 

●悪い印象について述べている書き込み

「・・・それに比べて一部のスタッフの態度には完全にきれますね。待合室にいるペットに対して、受付時の対応、電話の対応すべてに対して相当憤りを感じます。なんであんなに良い先生なのに・・・と強く感じます。それが他の方も思っていたので正直、共感しました。この前も午後の時間を聞いたら、『いつも通りですから・・・』。口調もとても怖かったし、時間を聞いているのにその回答はとても不親切だと感じたのですが、我が子のようにかわいいペットのことを考えて我慢しました。私たちからしてみたら人間と同じなんですよね。今でも思い出すと腹がたって仕方がないです」

 

この二つの文章を読み比べればわかるように、飼い主が担当医に対して好印象を抱いているような場合、受付の印象がよいと、さらに病院への好感度が高まり、逆に、受付の印象が悪いと、担当医に対しては好感をもっていたとしても、受付の印象の悪さがもたらすネガティブな効果のほうが強く働き、病院に対する好感度がぐっと下がってしまうおそれがあります。

 

はじめて病院を訪れた飼い主さんが「またここに来よう」という気持ちをもつのか、それとも「もう二度と来るものか」という思いを抱くのかは、受付スタッフから受ける印象次第であるということを肝に銘じておく必要があるでしょう。

 

受付の顧客対応能力を高めるためには、接遇研修を受けさせることなども一つの手です。最近は、医療機関の接遇能力を高めることに特化した研修も企画されていますので、利用を検討してみるとよいでしょう。

本連載は、2014年8月27日刊行の書籍『どうぶつ病院を繁盛させる50の方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

百瀬 弘之

百瀬弘之税理士事務所 代表

1957年東京生まれ。税理士。2003年から動物病院開業コンサルタント業のahed社と提携。
経営と税務会計、両方の視点から独自のコンサルティングを行うことにより、これまでに数十軒の動物病院の経営を成功へと導いている。
趣味はギター。東京税理士会「ゆがみBAND」ベーシストとしても活動中。

著者紹介

連載動物病院を繁盛させる経営の鉄則50

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

どうぶつ病院を繁盛させる50の方法

百瀬 弘之

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医の時代はたとえ給料は安くても、独立して動物病院を開業すれば十中八九成功が約束されていた獣医師。ペットブームの恩恵を受けて市場を拡大し続けてきた獣医師業界ですが、近年の動物病院の増加により飽和状態に。さらに…

Special Feature

2016.11

「法人保険」活用バイブル<書籍刊行>

決算対策、相続・事業承継、財産移転・・・企業とオーナー社長のさまざまな課題解決に、絶大な効果を発揮する「法人保険」の活用…

GGO編集部(保険取材班)

[連載]オーナー社長のための「法人保険」活用バイブル~決算対策編

【第19回】保険のための医的診査 結果が「少し悪い」ほうが社長が喜ぶ理由

GTAC(吉永 秀史)

[連載]法人保険を活用した資産移転の節税スキーム

【第15回】「逆ハーフタックスプラン」活用時の留意点

Seminar information

海外不動産セミナーのご案内

「ニューヨーク不動産」投資の最新事情

~世界の投資家が集まるニューヨークでの不動産投資とは?  現地日系の最大手不動産会社の担当者が語るNY不動産活用術

日時 2016年12月07日(水)
講師 川上恵里子

事業投資セミナーのご案内

いま最もアツい再生可能エネルギー「風力発電」投資を学ぶフェア

~2016年度の買取価格は55円。業界の最新事情と専門会社が取り扱う投資案件の実際

日時 2016年12月07日(水)
講師 近藤陽一

不動産活用セミナーのご案内

償却メリットを狙った「京都の町家」投資の魅力

~建物比率5割超&4年で減価償却も可能!独自の不動産マーケットを形成する京町家だから実現する投資法

日時 2016年12月10日(土)
講師 平野準

The Latest