「土地の分筆」を活用した相続税の節税方法

前回は、相続税の申告、納税までのスケジュールと、「延納」「物納」などの概要を説明しました。今回は、土地の遺産分割の際に可能な節税方法について見ていきます。

工夫次第で節税になる「分筆」もある

1つの土地を相続人で分けるために分筆する場合、地形や路線価が変わるために、土地の評価も変わり、結果的に相続税の節税につながります。

 

土地を分筆することが必ず節税になるわけではありませんが、次のような条件を満たすようであれば節税になります。

 

●分筆後の所有者が別々であること

●分筆により、地形や接する道路や路線価が変わること

 

たとえば、下記の図表のように、一方の道路に面する300㎡の土地の場合、①間口20m×奥行き15mと②間口15m×奥行き20mでも、同じ路線価×面積で評価するため、評価額は同じになります。

 

分筆しても相続人が1人なら相続税の減額はできない

ところが、遺産分割で所有者を分ける場合、①は間口10mずつの等分で分筆することができるので、それぞれの評価は変わりません。しかし、②の場合、間口の半分7.5mで分筆することも物理的には可能ですが、建築を想定すると無理が生じるため、手前の区画と進入路を取った奥の区画(旗竿地)に分けるのが一般的です。そうすると奥の区画は変形地となり、評価の総額が下がり、相続税が下がることになります。

 

また③のように、二方の道路に面した角地や三方の道路に面した三方路地などを分筆することにより、角地の面積が減り、一方路に面する土地ができると、そこで路線価の違いが生じるため、結果的には相続税が下がることになります。

 

いずれにしても、土地の分筆による節税は、相続後に所有者が変わることが前提であり、分筆しても1人の相続人が所有するならば、減額にはなりません。

 

本連載は、2012年2月28日刊行の書籍『図解でわかる相続税を減らす生前の不動産対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載相続税を減らす生前の「不動産対策」基礎講座

公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士 

相続コーディネーターの創始者として1万3000件以上の相続相談に対処。 感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続"を提案し、 家族の絆が深まる「夢相続」の実現をサポートしている。 株式会社PHP研究所勤務後、昭和62年不動産会社設立、相続コーディネート業務を開始。 平成12年NPO法人設立、内閣府認証を取得。 平成13年に相続コーディネートを業務とする法人を設立、 平成15年に東京都中央区八重洲に移転し、平成20年に社名を株式会社夢相続に変更。

著者紹介

図解でわかる 相続税を減らす生前の不動産対策

図解でわかる 相続税を減らす生前の不動産対策

曽根 恵子著 税理士法人チェスター監修

幻冬舎メディアコンサルティング

相続税の対象となる財産の5割以上が不動産です。誰も住まない土地を引き継ぎ、多額の相続税の支払いに頭を悩ますケースなど、不動産には多くの問題がある一方で、評価の仕方、活用の仕方次第で大きく節税でき、収益を生み出す…

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