アメリカ不動産投資の特徴の1つとして、ドル資産の保有があげられます。為替の価格変動が最大のメリットにもなり、最大のリスクにもなり得るのです。そのため、アメリカ不動産投資を有利に進めるためには、為替への正しい理解が不可欠となります。本記事では、「ドル円相場」の基礎知識を紹介していきます。

「為替」が日々の生活に与える影響とは?

アメリカ不動産投資を行うにあたって、為替について知っておくとメリットがあります。資産として米ドルを所持することにも関わりますが、為替の動向を追えば、利益を生むこともできます。

 

しかしながら、為替って結局何のことだっけ・・・となってしまうことも多いのではないでしょうか。為替についてきちんと理解しておけば、アメリカ不動産投資で有利に動けますので、改めて簡単に解説するとともに、今後の動きを考察していきます。

 

◆為替とは?

 

為替とは、現金を使わず支払いを行うことです。「内国為替」と「外国為替」の2種類が存在します。

 

「内国為替」は国内での支払いとなり、銀行振り込み、引き落とし、口座振替などがそれにあたります。「外国為替」は、通貨の交換を伴うものをいいます。基本的に、二国間の取引となります。「為替」と表現される場合は、一般的にこの外国為替のことを指します。

 

「為替レート」とは、外貨との交換比率のことです。1ドル=何円というのが、為替レートです。1ドル=100円を起点とした時、1ドル=110円になれば「円安ドル高」、1ドル=90円になれば「円高ドル安」となります。円の額だけ見ると、逆のように捉えられます。しかし日本では一般的に米ドルを基準にしているため、1ドルの価値を日本円で表した時に上がればドルの価値が高くなり(ドル高円安)、下がればドルの価値が低くなる(ドル安円高)というわけです。

 

◆為替の仕組み

 

為替取引は、東京証券取引所といった特定の場所で行われているように思えるかもしれません。しかし、実際にはそのような場所はなく、電話回線などの通信機器を通じて世界中のあらゆる場所で取引されています。

 

取引方法は「相対取引」というものです。売り手と買い手が1対1で価格や数量などの条件を出し合い、双方が納得すれば取引が成立します。外国為替のレートは、銀行間取引が行われる「インターバンク市場」での需要と供給のバランスによって決定されます。

 

為替レートは、様々な要因によって変動します。大きな要因の一つは、貿易です。

 

仮に、日本の企業が自動車をアメリカに輸出したとします。売上は米ドルで手に入りますが、従業員には日本円で支払う必要があります。そのため、米ドルを売って日本円を購入します。輸出が盛んになり、多くの企業が米ドルを売れば、米ドルの需要が減り価値が下がります。反対に、日本円の需要が増え価値が上がります。これが、「円高ドル安」です。当然、輸入の場合は逆のことが起きます。

 

◆為替の影響

 

為替が皆さんの日々の生活に影響を与えることもあります。

 

まずは、海外旅行です。円高が進行すれば渡航費が安く済みますし、より多く買い物を楽しめます。反対に円安が進行すれば、訪日の外国人旅行客が増えます。

 

次に、ガソリンや食料品です。日本は、ガソリンなどエネルギーのほとんどを海外からの輸入に頼っているので、円安がガソリン高騰の要因になりやすいです。また、食糧自給率が約40%のため、小麦や豆腐などを原材料にした食品は、特に円安の煽りを受けやすく値上がりは避けられません。

 

そして冒頭でお話しした通り、アメリカ不動産も影響を受けます。

 

不動産を購入した時点よりも、数年後の売却時のほうが円安ドル高になっていれば、キャピタルゲインとあわせ、為替差益も得ることができます。

 

もちろん高額な投資なので、円安ドル高が進行すると、日本円換算で考えると月々の出費が増加してしまい、一時的なロスにつながります。ただし、家賃収入も米ドルで受け取るため、得られたインカムゲインが多ければ多いほど、ドル高の恩恵を受けることができるのです。

五輪特需のピークアウトにより、今後は円安傾向に!?

◆今後の為替の動き

 

為替の動きを見極めるために、まず重要な要素になるのが景気です。今後の経済成長が安泰だと考えられれば、需要が高まり価値は上昇します。

 

もともと1ドル=360円で固定されていた為替が、変動相場制の導入によって通貨ごとの価値の差が生じるようになりました。そして高度成長期を経て、現在は1ドル=110円前後で推移しています。近年GDPは改善傾向にありますが、2019年の増税による消費の落ち込みや、東京五輪特需のピークアウトなど景気悪化が懸念されています。また少子高齢化による人口減少も避けられず、日本円の需要が減り、さらなる円安が進む可能性は高いでしょう。

 

直接的ではありませんが、現在起きている米中の貿易戦争も、今後の動き次第では影響を及ぼすかもしれません。

 

アメリカは中国との貿易赤字から、昨年中国製品に対して追加関税を課しました。一方、中国側も報復関税を課しました。その結果、2018年8月は円高に振れました。両国の摩擦を警戒し、安全な日本円が買われたということでしょう。

 

今後紛争が長引けば、両国の景気が悪化し、世界的な不況に陥る可能性もあります。しかし、現状どちらのほうが輸入に頼る必要があるのかということを考えると、アメリカが有利といえるでしょう。そうなれば、ドル高になっていく可能性も十分にあります。

 

トランプ大統領の政策の動きや発言には、大きな影響力があります。これまで、米金利の上昇について難色を示す発言や、ドル高を牽制する問題発言が目立っています。米ドルが高くなると口先介入し、実際に円高ドル安になるということが繰り返されています。今後も、ドル高傾向になる度に、こういった発言による影響が考えられるでしょう。

 

 

柳原 大輝

WIN/WIN Properties, LLC 共同代表 

株式会社WIN WIN Properties Japan 代表取締役

 

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