相続財産から控除できる「葬儀費用」の範囲とは?

前回は、「老後資金」として、いくらあれば老後を安心して過ごせるのかを説明しました。今回は、「葬式費用」として控除できる費用・できない費用を見ていきます。

通常のお通夜、葬儀の費用やお布施は控除が可能

 

「お墓は生前に用意しようと思うのですが、葬儀費用のことが心配で・・・」

 

美千子が訊ねた。

 

「その分は課税される時に控除されるのでしょうか?」

 

「はい。相続では被相続人が所有していた財産だけでなく、借金や未納の税金などの債務も相続することになります。これらの債務は、相続財産から控除することができます。葬儀にかかった費用も、この債務として相続財産から控除することが可能です」

 

「でも実際にお葬式となるといろんな費用がかかりますよね。たとえば、お香典返しや初七日、四十九日の法要なんかも、親戚に来てもらってお食事を出したりするとそれなりの出費だと思うんですけど」

 

「おっしゃる通り葬式費用といってもいろいろな内容がありますので、葬式費用と認められるものと認められないものは次のように分類されています」

 

由井は資料を取り出した。

 

<葬式費用として認められるもの>

①通常のお通夜、葬儀の費用

②お布施

③①②の他、葬式の前後に生じた費用で、通常の葬式に伴うものと認められるもの

④死体の捜索または死体もしくは遺骨の運搬に要した費用

香典返しや法要の費用は葬式費用として認められない

<葬式費用として認められないもの>

①香典返戻費用

②墓碑や墓地の買入費用または墓地の借入料

③初七日や四十九日など法要の費用

④医学上、または裁判上の特別の処置のための費用(遺体解剖費用)

 

「美千子さんが心配されているお香典返しや法要の費用は残念ながら含まれません。あと葬儀社への支払いなどの領収書、請求書は保管する必要があります。寺などからは葬式費用の領収書が入手できませんので、金額等をメモして保管しておいてください。このように『相続税申告の準備は葬儀から始まっている』といっても過言ではありません」

本連載は、2015年2月27日刊行の書籍『家族のトラブルをゼロにする生前の相続対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載家族のトラブルをゼロにする「生前の相続対策」

株式会社関総研結い相続支援センターアズタックス税理士法人 代表公認会計士・税理士

1948年生まれ。香川大学経済学部卒業後、大阪国税局に入局。等松・青木監査法人(現有限責任監査法人トーマツ)を経て、1978年関公認会計士事務所を開設。1983年に株式会社関総研を設立、2004年には株式会社関総研財産パートナーズを設立、そして2013年10月大阪証券取引所ビルに相続・資産管理支援専門の「結い相続支援センター」を開設した。日本M&A協会副理事長。

著者紹介

家族のトラブルをゼロにする 生前の相続対策

家族のトラブルをゼロにする 生前の相続対策

関 博

幻冬舎メディアコンサルティング

平成27年1月、改正相続税法が施行されました。中でも基礎控除の4割縮小により、今まで相続税がかからなかった家族も課税されるケースが増えることが話題となっています。うちの家族は仲がよいから大丈夫、あるいは財産が多くは…

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