「遺言書」と「法定相続分」はどちらが優先されるのか?

前回は、相続人が複数いる場合の「分割」方法について説明しました。今回は、遺言書と遺留分の概要について見ていきます。

遺言書がある場合はその内容を優先

遺言書で相続人を指定している場合は、指定相続となります。これは、相続人が何人もいる場合、被相続人が遺言によって、特定の相続人、または全員の相続分を指定することができるという制度です。

 

被相続人が各人にどのように財産を与えたいかを考えるのは、当然の心理といえます。遺言書があれば法定相続分より優先されるため、被相続人は、自分の財産を遺言によって自由に処分することができます。しかし、まったく自由ということになると、たとえば愛人や他人などに与えられてしまい、遺族が生活に困るといったケースも出てきます。

 

こうした事態を避けるために、一定の範囲の相続人が最低限相続できる財産を保証しています。これが「遺留分」です。

遺留分が侵害されたら「減殺請求」で取り戻す

この遺留分が侵害されたとわかったときは、相手方に財産の取り戻しを請求します。これを「遺留分の減殺請求」といいます。

 

減殺の請求をするときは、文書で相手方に「減殺する」という意思表示だけをすればよいのです。「遺留分の減殺請求」は法的に守られているため、相手がどうしても応じない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

 

遺留分の減殺を請求できる期限は、相続があることを知ってから1年以内、侵害されていることを知らなかった場合は、それを知ってから1年となります。相続の開始から10年を経過すると、遺留分減殺請求権は時効となり消滅してしまうので、確実に期限内に請求することが必要です。

 

本連載は、2012年2月28日刊行の書籍『図解でわかる相続税を減らす生前の不動産対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載相続税を減らす生前の「不動産対策」基礎講座

公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士 

相続コーディネーターの創始者として1万3000件以上の相続相談に対処。 感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続"を提案し、 家族の絆が深まる「夢相続」の実現をサポートしている。 株式会社PHP研究所勤務後、昭和62年不動産会社設立、相続コーディネート業務を開始。 平成12年NPO法人設立、内閣府認証を取得。 平成13年に相続コーディネートを業務とする法人を設立、 平成15年に東京都中央区八重洲に移転し、平成20年に社名を株式会社夢相続に変更。

著者紹介

図解でわかる 相続税を減らす生前の不動産対策

図解でわかる 相続税を減らす生前の不動産対策

曽根 恵子著 税理士法人チェスター監修

幻冬舎メディアコンサルティング

相続税の対象となる財産の5割以上が不動産です。誰も住まない土地を引き継ぎ、多額の相続税の支払いに頭を悩ますケースなど、不動産には多くの問題がある一方で、評価の仕方、活用の仕方次第で大きく節税でき、収益を生み出す…

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