収支シミュレーションから見る「太陽光発電事業」の2つの利点

前回は、太陽光ファンドスキームの要である「即時償却」を可能にした税制について説明しました。今回は、太陽光発電事業の「安定収入」と「即時償却」の2つのメリットが、収支シミュレーションの中でどのように反映されるのかを見ていきます。

FIT制度により安定的な売電収入を確保

国の制度により、太陽光発電事業は「安定収入」「即時償却」といった2つのメリットを享受できることを、本連載の第1回、第2回で説明しました。しかし、その2つが数字にどのように反映されるのかを具体的に見ていかなければ、それらのメリットをイメージしづらいかもしれません。

 

まずは、以下の一般的な太陽光発電事業のシミュレーションをご覧ください。

 

 

【シュミレーション】

「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」は、国が20年間の電気の買取を約束してくれる制度です。そのため不動産投資のように空室リスクはなく、安定的な売電収入を見込むことができます。

 

売電収入は天候により上下しますが、その基となる発電量については国立研究開発機関であるNEDO(http://www.nedo.go.jp/)の日射量データベース(国内837地点・29年間<1981~2009年>の日射量データ)等、過去の長期データから得られる平均日射量から算出するのが一般的です。年により上下はありますが、長期的に見れば収束していくものと考えられます。

 

また、毎年少しずつ売電収入が減っているのは、パネル等の経年劣化を見ているためです。そこからメンテナンス費用、土地賃借料、保険料等が引かれていきます。

利益の繰り延べにより収益を圧縮することも可能

2015年3月末取得分までは「グリーン投資減税」、2014年1月20日から2016年3月31日の間までは、「生産性向上設備投資促進税制」を活用し、設備の「即時償却」を行います。

 

「減価償却」は不動産と同様に、費用計上することが可能です。他の費用と合わせて売電収入を超える部分は赤字を出し、他の事業で黒字が出ていれば、ここで生まれた太陽光発電事業の赤字をあてて、その年の収益を圧縮することができます。そして、初年度の太陽光発電事業の赤字は翌年以降の売電収益で取り返していきます。これが利益の繰り延べの仕組みです。

 

近年の不動産価格の上昇を受け、売却益を得た人が利益の圧縮のために太陽光発電設備を取得するケースが数多く見受けられます。また、法人税の実効税率の引き下げが話題になっていることもあり、どの法人も利益の繰り延べに対して非常に積極的になっているように感じられます。

SBIマネープラザ株式会社 常務取締役 総合企画部長

1995年、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。主に通信業界を中心とした上場企業を担当。1998年、通商産業省(現・経済産業省)出向。エネルギーやインフラに対するODA(政府開発援助)業務に携わる。2005年、イー・トレード証券(現・SBI証券)へ転職。執行役員経営企画部長としてインターネット証券の対面チャネルとの融合を模索。2012年からはSBIマネープラザの取締役として、証券・保険・住宅ローンなどのあらゆる金融商品をワンストップで提供する対面チャネルの確立を目指している。現在、同社常務取締役として経営企画部門のほか、新規事業であるファンド関連事業部門の育成に注力。

著者紹介

連載法人による「太陽光ファンド」活用の最新事情

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