自社株対策として活用できるオペレーティング・リース(オペリー)ですが、基本的に「投資」であり、投資である以上はリスクが伴います。資金的に余裕のある状態で活用しましょう。

あくまでも「投資」であることを理解しておく

今回はオペレーティング・リース(オペリー)活用のリスクについて見ていきます。主なリスクには次のようなものが挙げられます。
 
①リース物件の借り主である航空会社などが倒産すると、リース契約と匿名組合契約は終了します。運営者である営業者(SPC)はリース物件を売却処分してローンを清算し、残った額を出資者に分配します。
 
こうしたリスクを回避するためには、借り主の会社の信用度をチェックしたり、保険会社等の保障を用意しておいたりします。
 
②リース物件が壊れて使い物にならなくなると、同様にリース契約と匿名組合契約が終了します。物件には保険がついているので、出資金は全額回収できますが、その時点で収益が計上されてしまいます。
 
③匿名組合との契約を結んだときの税制が変わると、当初予定していた投資効果が得られない場合があります。

外貨建ての場合、為替相場の変動リスクにも注意

④海外との取引(外貨建て)には必ず為替相場変動のリスクが伴います。リース収入の変動もありますが、むしろ購入選択権の行使とリース終了時の出資金が為替変動の影響を受けることに注意していないと、節税効果が薄れるリスクがあります。
 
⑤リース終了時にリース物件を売却しようとしても、当初予定していた価格で売却できないことがあります。出資金の全額回収が予定されている購入選択権が行われるのが通常ですが、行使されないとリスクは高まります。
 
オペレーティング・リースの活用にあたっては、以上のようなリスクを踏まえたうえで、ある程度資金的に余裕のある状態で、節税効果もにらみながら投資することが望まれます。
 

 

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