クリニック開業のサポートを受ける「パートナー」の条件とは?

前回は、クリニックの税務会計などを委託するパートナーの選び方について説明しました。今回も、引き続きパートナー選びのポイントを見てきましょう。

パートナーには「誠意」「熱意」「求心力」が必要

クリニックの開業後、基本的にはドクターとパートナーとは引退するまでという長い期間、付き合っていくことになります。それだけに、ドクターとパートナーとは常に本音で話し合える関係、言いにくいことでもお互い言い合えるような関係を構築することが大切です。

 

このような関係を構築するためには、求心力のあるパートナーを選ばなければなりません。それも組織のトップにだけ求心力があれば良いというわけではなく、所属するスタッフ全員が常に誠意と熱意を持って臨んでいることが重要です。こうした組織にはおのずと求心力が生まれ、顧客も自然と増加していくのです。

 

どんなに小さなことでも疑問があれば気軽に聞ける、すぐにアドバイスを返してくれる、また、些細なことでも全力を尽くして対応してくれる、こうした積み重ねがあってこそ、信頼しあえる関係が生まれるのです。誠意と熱意のない付け焼き刃な対応では、厚い信頼関係が構築できるわけはなく、真の良きパートナーとしてわかり合える日は来ないでしょう。

 

終身担当者制は、責任の所在が明確となるため、担当者が常に緊張感を持ってサービスの提供を継続することが可能となりますし、ご多忙なドクターは変更にともなうストレスを感じることもありません。

担当者を「変更しない」会計事務所を選ぶべき理由

しかしながら、巷では2年ごとに担当者を変更する会計事務所が一般的なようです。これは、クライアントと担当者が長期間、親密な関係を継続していると、その担当者が独立開業する際に当該クライアントを無断で持って行ってしまうことが往々にしてあるため、所長がそれを警戒しての防止策のようです。

 

こうした慣習は、あくまでも自身の組織の保全にのみ固執したものであり、クライアントに対するサービスを重視した視点からかけ離れたところに位置しています。クライアントの立場に立って真摯に考えるのであれば、長い年月にわたって厚い信頼関係で結ばれている担当者を一方的に変更するということは、クライアントに対する責任放棄であると言われても仕方がありません。

 

筆者は常日頃から、「クライアントから『担当者が変わるのなら、顧問契約を解除する』と言われるぐらいになれ」と事務所のスタッフには話しています。こうしたモチベーションのもとでこそ、誠意と熱意から求心力が生まれるのです。その結果、クライアントから満足していただけるレベルの高いサービスを提供することが可能となり、長期間にわたる厚い信頼関係が実現するのです。

本連載は、2016年4月刊行の書籍『改訂版 クリニック開業読本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

みなとみらい税理士法人 髙田会計事務所 所長 税理士

1965年生まれ。兵庫県出身。
1984年栄光学園高等学校卒業。
1988年上智大学文学部新聞学科卒業。
2002年税理士登録。
2003年神奈川県鎌倉市に髙田会計事務所を開業。
2011年税理士法人化をして神奈川県横浜市西区へ移転。みなとみらい税理士法人髙田会計事務所(東京地方税理士会横浜中央支部所属)となり現在に至る。2016年4月現在、スタッフ総数63名、顧問先総数837件の医科歯科に特化した会計事務所の所長を務め、これまでのクリニック開院サポート実績は600件を超える。

著者紹介

連載成功する「クリニック 開業」のノウハウ

改訂版 クリニック開業読本

改訂版 クリニック開業読本

髙田 一毅

幻冬舎メディアコンサルティング

2000年から2015年の医療機関の倒産件数は527件。経営破綻した医科・歯科クリニックの8割は破産を選択せざる得なく、再起も難しい状況です。このような厳しい状況の中でも集患に成功しているクリニックが存在するのはなぜでしょ…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧