相続における「借地」や「貸宅地」の評価方法とは?

前回は、相続財産で最も多い「土地」の具体的な評価方法について説明しました。今回は、「借地」や「貸宅地」の評価方法を見ていきます。

土地を借りている場合は「借地権」の評価をする

建物は所有しているが、土地を借りている場合、土地を借りている権利を「借地権」といい、相続財産として評価されます。借地権は、更地(自宅用の土地)の評価額に借地権割合をかけて計算します。借地権割合は地域ごとに決められており、路線価図で確認できます。

 

路線価図には、アルファベットA〜Gで30%~90%の借地権割合が表示されています。Aならば90%、Bならば80%といった具合です。仮に土地の評価額が1億円で、借地権割合がDの60%だった場合、借地権の評価額は6000万円になります。

土地を貸している場合は「貸宅地」の評価をする

土地を所有しているが、貸しており、借地人が建物を建てているという場合の土地の権利を「底地」といいます。下記図表のように評価額が1億円の土地で借地権割合がDの60%であれば、「底地」の評価額は4000万円です。「底地」は土地の所有者の財産で、相続のときは、「貸宅地」として評価されます。

 

 

貸宅地のように他人に貸している土地には、借地人の権利があり、すぐに明け渡してもらうというわけにはいきません。そのため、更地の評価額から借地人の持っている借地権を控除して評価することになっているのです。

アパートを建てると「貸家建付地」となり評価が下がる

土地所有者が自分名義の賃貸アパートやマンションを建てて賃貸している場合、その土地は「貸家建付地」となり、更地の評価額から借地権割合と借家権割合(全国一律30%)をかけた分を引くことになっています。貸家建付地の価額は、自用地とした場合の価額-(自用地とした場合の価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)で評価します。

 

たとえば、借地権割合が60%の土地では、60%と30%をかけた18%が貸家建付地の減額となります。ここも土地評価額が1億円だとすると、

 

1億円×(1-60%×30%)=8200万円(※全部を賃貸している場合)

1億円の土地が8200万円の評価になるのです。

 

また、アパートなどの各独立部分の一部が課税時期において空室となっていれば、その部分は貸家建付地とならずに賃貸割合をかけて算出しますが、下記のように一時的に空室になっていたにすぎないと判断されるものについては、課税時期においても賃貸されていたものとして評価されます。

 

①各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものであること。

②賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、空室の期間中、ほかの用途に供されていないこと。

③空室の期間が、課税時期の前後の1カ月程度であるなど、一時的な期間であること。

④課税時期後の賃貸が一時的なものではないこと。

 

本連載は、2012年2月28日刊行の書籍『図解でわかる相続税を減らす生前の不動産対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士 

相続コーディネーターの創始者として1万3000件以上の相続相談に対処。 感情面、経済面に配慮した“オーダーメード相続"を提案し、 家族の絆が深まる「夢相続」の実現をサポートしている。 株式会社PHP研究所勤務後、昭和62年不動産会社設立、相続コーディネート業務を開始。 平成12年NPO法人設立、内閣府認証を取得。 平成13年に相続コーディネートを業務とする法人を設立、 平成15年に東京都中央区八重洲に移転し、平成20年に社名を株式会社夢相続に変更。

著者紹介

図解でわかる 相続税を減らす生前の不動産対策

図解でわかる 相続税を減らす生前の不動産対策

曽根 恵子著 税理士法人チェスター監修

幻冬舎メディアコンサルティング

相続税の対象となる財産の5割以上が不動産です。誰も住まない土地を引き継ぎ、多額の相続税の支払いに頭を悩ますケースなど、不動産には多くの問題がある一方で、評価の仕方、活用の仕方次第で大きく節税でき、収益を生み出す…

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