不動産 国内不動産 その他
連載中小オフィスビルオーナーのための「満室」経営術【第17回】

テナントの「募集キャンペーン」を効果的に実施する方法

オフィスビルテナントインセンティブキャンペーン

テナントの「募集キャンペーン」を効果的に実施する方法

前回は、日本の不動産取引の問題点を、アメリカの取引形態と比較しながら説明しました。今回は、効果的なテナントの「募集キャンペーン」を実施するポイントなどを見ていきます。

「間口を広く」営業するほうが空室解消に役立つ

日本橋なら繊維、渋谷ならIT系、本郷なら医療関係などと地域によってオフィスを借りる業種を固定観念からイメージし、その業種だけに営業をかけるようなやり方を見かけますが、これはいけません。

 

もちろん、本郷を歩いてみるとほかの街よりも医療機器関連の会社や医療系の出版社などを多く見かけますが、だからといって、そうした業種が他業種に比べてどのくらい多いのでしょう。誰もデータを取っているわけではないのです。

 

それなのに、医療系がよいはずと、ただイメージだけで決めつけ、営業範囲を狭めるのは自分で自分の首を絞めるようなもの。それよりもまんべんなく、間口を広く営業するほうが空室解消に役立ちます。これはデザイン、設備も同様で、IT系だから最先端のデザインが好まれるなどという傾向はありません。よいものはどんな業種にとってもよく、ダメなものはどんな業種にも受け入れられないのです。

インセンティブをつけて印象に残るキャンペーンに

テナント募集に際してのキャンペーンでは実施時期のタイミング、内容がポイントになります。リフォーム同様、やればよいというものではありません。

 

まず実施時期ですが、当社では長期に空室が続いている場合には同一ビル内で複数の空室が出た場合に行うものとし、四半期ごとに実施対象を検討しています。実施期間は通常3カ月。短期間では十分な告知が行えませんし、あまりに長期間にわたっても逆に効果が薄れてしまいます。

 

オフィスビル市場は、景気変動などの影響で非常に短期で変化しますから、半年も続くようなキャンペーンを行うと、その間に賃料などが実勢に合わなくなる危険もあるのです。キャンペーン実施時には競合物件のなかで優位に立てる、ぎりぎりの賃料設定を行っていますから、その優位が保てなくなるようなキャンペーンでは意味がありません。

 

さらには、オフィス案内時にテナントとなる企業、業者双方にクオカードを進呈するなどのインセンティブを行います。どんなものであれ、プレゼントはうれしいものですし、また、印象にも残ります。オフィスを探す企業は数多くのビルを見て比較検討しますが、その際に最初に思い出してもらえる物件になることが、とても大切です。

 

もちろん、キャンペーン用のチラシ作成、既存の仲介会社へのファックス、電話、メール、訪問等でのアピールなども同時に行っています。

 

もうひとつ、これはキャンペーン時に限りませんが、仲介会社からの質問に対してはできる限り迅速に答えるようにもしています。問い合わせに対する回答が1週間も2週間もかかるようでは、管理がいい加減と見られかねませんし、その間も空室状況は続きます。

 

仲介会社としても同じ手数料を得るのに、1週間しかかからないビルと、3週間かかるビルとでは、返答が早く、判断しやすいビルを勧めたいと思うのが道理。こうした積み重ねが当社のビルを決めてもらいやすくしているのです。

本連載は、2010年12月21日刊行の書籍『空室を抱える中小オフィスビルオーナーのための満室ビル経営』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

佐々木 泰樹

サブリース株式会社 代表取締役

1946年岩手県宮古市生まれ。1969年に都留文科大学を中退、東都商事株式会社に入社。貸事務所仲介営業に従事し、入社から5カ月で営業管理職兼トップ営業マンと して活躍する。その後、同社を3年10カ月で退社、26歳 で独立を果たす。40年以上にも及ぶ業界経験のなかで、 貸事務所の仲介のみならず、貸ビルの設計・開発ならびに リフォームを含めたビルのコンサルティングも手掛け、多く の空室に悩むオフィスビルを再生させてきた。また、業界に先駆け、貸事務所の転貸業(サブリース)を考案するな ど、その豊富な経験を活かし、現在はサブリース株式会社 にて、オフィスビルの設計、開発、再生に力を注いでいる。

著者紹介

連載中小オフィスビルオーナーのための「満室」経営術

空室を抱える中小オフィスビルオーナーのための満室ビル経営

空室を抱える中小オフィスビルオーナーのための満室ビル経営

佐々木 泰樹

幻冬舎メディアコンサルティング

サブプライム問題、リーマンショックを経て、悪化した賃貸オフィスビル市場は依然厳しく、地方都市では都心以上に苦しい状況にあります。そのような中、特に中小規模のオフィスビルは、バブル期以前に建った築20年以上のビルが…

Special Feature

2016.12

「法人保険」活用バイブル<書籍刊行>

決算対策、相続・事業承継、財産移転・・・企業とオーナー社長のさまざまな課題解決に、絶大な効果を発揮する「法人保険」の活用…

GGO編集部(保険取材班)

[連載]オーナー社長のための「法人保険」活用バイブル~決算対策編

【第19回】保険のための医的診査 結果が「少し悪い」ほうが社長が喜ぶ理由

GTAC(吉永 秀史)

[連載]法人保険を活用した資産移転の節税スキーム

【第15回】「逆ハーフタックスプラン」活用時の留意点

Seminar information

不動産活用セミナーのご案内

償却メリットを狙った「京都の町家」投資の魅力

~建物比率5割超&4年で減価償却も可能!独自の不動産マーケットを形成する京町家だから実現する投資法

日時 2016年12月10日(土)
講師 平野準

海外不動産セミナーのご案内

償却メリットにフォーカスした「ハワイ不動産」投資の最新事情

~築古木造のタウンハウスで建物比率80%以上。「ハワイの償却物件」の実際と活用法

日時 2016年12月10日(土)
講師 大橋 登

海外活用セミナーのご案内

国際金融都市「香港」で始めるグローバル資産防衛

~本格的な海外投資環境を整えるメリットと現地の最新金融事情

日時 2016年12月10日(土)
講師 長谷川建一

The Latest