住宅の内装に多用される「接着剤(アクリル)」がもたらす問題

今回は、住宅の内装に多用される「接着剤」がもたらす問題を取り上げます。※本連載は、住医学研究会名誉顧問・ウエッジグループのオーナーの澤田升男氏の著書、『新版 住宅展示場では教えてくれない本当のこと。』(株式会社ザメディアジョン)の中から一部を抜粋し、本当に良い家を見極めるポイントを紹介します。

珪藻土に含まれる接着剤は、5~7年で酸化・劣化する

最初に、健康住宅には不可欠な内装の塗壁についてです。内装の塗壁で一番多いのが珪藻土です。なぜなら、塗壁材の中でも材料費が比較的安価だからです。

 

しかし、本書(『住宅展示場では教えてくれない本当のこと。』)の第2章でも指摘しましたように、珪藻土には接着剤(アクリル)が3割から7割も含有されています。5~7年もするとこの接着剤が酸化し、劣化します。さらに、劣化して壁から剥がれた珪藻土の細かい粒子は空気中を浮遊し、吸い込むと肺に刺さり肺がんになる危険性が高いのです。

 

劣化や、肺に刺さると言ってもピンとはこないかもしれませんが、実は多くの方がその現象を体験しています。スーツ等で壁に寄りかかった時に、白い粉が付いたことはないでしょうか。その状態が、まさしく接着剤の酸化であり、アスベストの健康問題と同じなのです。

 

また、アクリルを含んだ珪藻土は、数年すると酸化現象から黒いシミのようなカビが発生することがあります。こうした劣化を招く珪藻土は、寿命が短いことから短期間でのリフォームを必要とするのです。

 

アクリルが含有されると、調湿性能も劣ってしまう

実は、自然素材で建て替えた2軒目の私の家も、当初は珪藻土を使用しました。「珪藻土は自然素材だから大丈夫」との思いで内装の壁と天井の全てに使いましたが、結果として数年で、壁は傷だらけ、手垢だらけ、特によく触れるスイッチ周りは爪跡だらけ、壁にもたれかかれば白い粉塵が服に付くという有様で、新築からわずか8年で漆喰に塗り替えた苦い経験があるのです。

 

ただ、漆喰なら全て大丈夫なのかといえば、それもノーです。なぜなら、ほとんどの漆喰には5%ほどのアクリルが含有されているからです。ほんの5%でもアクリルは劣化します。劣化すれば珪藻土と同様の現象が起こるのです。

 

ではなぜ、わざわざ早く劣化するアクリルを混ぜるのかといえば、施工性が良くなり、施工費を安価に抑えることができ、利益を得やすくなるからです。

 

また、アクリルが含有されると、劣化が早いだけでなく、表面にアクリル膜を張ることから調湿性能も劣ります。調湿性が悪くなれば体感も不快に感じるばかりでなく、消臭効果を損なうなど、性能にも支障をきたしてしまうのです。

 

ちなみに、一般的な健康住宅の外壁に多く利用されているのは、一見すると塗壁のように見えるアクリル系の吹付です。見た目は塗り壁でも材質はペンキです。ペンキでは水の侵入を完璧には防げず、資材の劣化が早いことは、本書の第1章で説明しているとおりですが、ペンキには他にもまだ問題があります。

 

まずは、ペンキに含まれるアクリルは、珪藻土と同じように数年で劣化し、粉を吹きます。しかも、ペンキは水に弱いだけではなく、太陽光の紫外線にも焼けやすく、色褪せして短命なのです。

 

さらに、調湿性能がないことから、ペンキと外壁の間に湿気が溜まり、数年で剥離します。古い建物で、ペンキが人の肌にできる水膨れのように、プクッと浮いている状態を見たことのある方は、多数おられると思います。あのような現象は、ペンキに調湿性能がないことから起きるのです。

 

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連載住宅展示場では教えてくれない「本当の健康住宅」を見極めるポイント

住医学研究会名誉顧問
ウェッジグループオーナー

1963年、岐阜県の工務店の2代目として生まれる。大学で建築工学を学び、卒業後、ゼネコンに入社するが、家業を継ぐため1年で退社。23歳にして沢田建設株式会社の経営を引き継ぎ、年商4000万円の会社をわずか3年で年商10億円まで成長させる。その後、全国に「本物の家造り」を広めたいという思いで、自然素材のパッケージ住宅やオリジナル工法「ダブル断熱」などを提供する株式会社オーパスを設立。全国の工務店にノウハウや資材を販売するほか、営業サポートなどを行い、全国のお客様に会員工務店を通じて「本物の家造り」を提供。設立後、わずか7年でオーパス会員工務店800社まで育てる。2007年に上場企業に売却後、現在は建築業界だけでなく、幅広く異業種に向けてのコンサルティングも行っている。

著者紹介

新版 住宅展示場では教えてくれない本当のこと。

新版 住宅展示場では教えてくれない本当のこと。

澤田 升男

ザメディアジョン

住まいの新築やリフォームを検討する時、新聞やテレビCMでよく目にしている会社や国の補助金や優遇制度の対象となる住宅など、知名度が高く、しかも国の認定基準を満たしていると聞くと、「それなら安心」と納得し、選択肢に加…

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