資産運用と節税に活用できる「プライベートカンパニー」とは?

前回は、期間限定の一括収入系資産である「生命保険」と「海外投資信託」について説明しました。今回は、「プライベートカンパニー」の概要について見ていきます。

リタイア後に「海外」を意識する場合には・・・

開業医のなかには、リタイア後のライフスタイルを海外生活や海外旅行をして過ごしたい、と考えている人が少なからず存在します。こうした希望を持つ人は、期間限定の一括収入系資産の資産形成商品として「海外投資」を充実させる方法がお勧めです。

 

一括収入系資産を「第2の財布」として使うもので、たとえば海外でのロングステイなどを考えている人は、外国通貨建ての金融商品で資産形成するのにも、いい方法と言えます。外貨での運用には、為替変動というリスクがあり、円建てで受け取ると損失が出るようなケースもあります。

 

そういった場合は、そのまま外貨で保有し、リタイア後の海外生活で現地通貨として引き出して使えばいいわけです。海外で販売されている「生命保険」にも目を向けてみましょう。日本の状況とは大きく異なり、高いパフォーマンスが期待できる終身型個人年金保険が数多くあります。

 

ただ残念なことに、日本では個人が海外の生命保険に加入することは法律で禁止されています。日本の居住者は国内で営業していない海外の保険会社とは契約してはいけないと定められているわけです。

 

ただし、これが「法人」であれば話は別になります。香港などの場合、簡単な手続きと安いコストで法人を設立することができますから、こうした法人名義であれば、日本人が海外で貯蓄性の高い生命保険に加入することも可能になってきます。

「プライベートカンパニー」最大のメリットは節税効果

日本の生命保険では、どんなに頑張っても年2%程度のパフォーマンスを得るのがやっとという状態ですが、海外の貯蓄性の高い生命保険であれば、年5%を上回る商品も珍しくありません。

 

ところが、上述のとおり日本の居住者は海外の生命保険に加入できません。そこで、注目されているのが日本で会社を設立して、その会社名義で海外の有利な生命保険に加入するという方法です。

 

その方法として注目されているのが、「プライベートカンパニー」の設立です。プライベートカンパニーというのは、簡単に言うと個人の「資産保有会社」のことで、これまで主流だった個人名義の不動産を法人で管理する「資産管理会社(不動産管理会社とも言う)」とは異なるものです。

 

具体的には、開業医をオーナーとする法人をひとつ設立し、個人で所有している不動産や株式、債券などの名義を設立した法人に替えて移してしまいます。法人名義となった不動産の賃貸収入や株式、債券からの配当などは、プライベートカンパニーから役員報酬としてオーナーに支払われます。リタイア後の収入も、そのプライベートカンパニーから役員報酬として得られる仕組みになります。

 

プライベートカンパニーにする最大のメリットは節税効果です。個人の場合、年間の所得が4000万円を超えると所得税率は45%になります。これが法人であれば実効税率は約35%。相続税も、相続財産が6億円を超えると55%の税率になります。法人であれば、株式を承継することになるために、株式の評価額をどうするのかといった問題はありますが、相続税の面でも有利になります。

 

ただし、プライベートカンパニーに個人資産を移行させる場合は、名義変更に伴う金額設定や経費の範囲、給与設定なども含めて、税制上のルールにのっとった方法が求められます。公認会計士や税理士の協力なしでは、当然実現は不可能です。特に、相続などについては、節税効果も大きくなるために、専門家の意見を聞いたほうがいいでしょう。

 

次回は、プライベートカンパニーのメリット、デメリットを簡単に紹介します。

本連載は、2015年8月4日刊行の書籍『開業医のための資産形成術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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株式会社インベストパートナーズ 執行役員・ゼネラルマネージャー

株式会社インベストメントパートナーズ 執行役員・ゼネラルマネージャー。
1972年福岡県生まれ。2006年に株式会社インベストメントパートナーズ設立メンバーとして参画。これまでに500人以上の個人開業院長、医療法人理事長に事業改善、人生設計をサポート。医院形態、規模、年代、地域性など、集積したデータをもとに実践的資産形成の設定を行う。2014年には公益法人日本医業経営コンサルタント協会認定登録。

著者紹介

開業医のための資産形成術

開業医のための資産形成術

恒吉 雅顕

幻冬舎メディアコンサルティング

かつて開業医は医師のなかでも勤務医より収入が圧倒的に多く、リタイア後の悠々自適な生活が保障されていたことから、将来安泰な職業だと言われてきました。しかし今、税制改革による富裕層への増税や、2025年問題へ向けた医療…

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