前回は、ビジネスモデルの分析で障害となる「過去の成功体験」について解説しました。今回は、経営計画の策定における「経営理念の見直し」の重要性について見ていきます。

経営理念の見直しで、自社の方向性を再確認

本連載において前述したように、経営計画の概要をまとめる際には経営理念の見直しも求められます。

 

経営理念は、事業ドメイン(事業領域)を明確化するものです。経営理念の見直しを通じて、自社がそもそもどのような会社なのかを再認識することができるはずです。

 

たとえば、創業時はメーカーとして出発したものの今は自社生産をしておらず、注文に応じてOEMの形で他社に発注しているような場合もあるでしょう。「あなたのところからモノを買っているのは、納期をきちんと守ってくれるしサービスも良心的だからです」と取引相手が言うような状況であれば、ビジネスの内実はもはや商社と変わりないといえるかもしれません。

 

だとすれば、現在の業務を踏まえた経営理念を改めて作り直すことも検討しなければならないでしょう。

見直した経営理念は、社内にしっかりと浸透させよ

また、経営理念の見直しによってがらりと会社が変わることは少なくありません。たとえば、経営者が男性から女性に代わったある企業では、「女性活躍の五箇条」という経営理念が新たに掲げられました。その結果、女性社員が目覚ましい活躍ぶりを見せるようになり、業績の大幅な向上につながりました。

 

ただし、どんなに立派な経営理念があっても、社長室の壁に額に入れて飾っているだけでは意味がありません。「社内の要所要所で目のつく場所に掲示する」「カードなどにして配る」などの方法で周知させ、社内にしっかりと浸透させることが大切です。

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大磯 毅/中山 昌則

幻冬舎メディアコンサルティング

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