離婚制度の歴史・・・様々な婚姻解消法に関する基礎知識②

前回に引き続き、様々な婚姻解消法に関する基礎知識を紹介します。今回は、審判離婚や裁判離婚等の要件を見ていきましょう。※本連載は、法律の研究者・執筆者として活躍する尾崎哲夫氏の著書、『はじめての親族相続』(自由国民社)の中から一部を抜粋し、そもそも親族とは何なのか、「親族の範囲」「婚姻」などについて分かりやすく説明します。

裁判離婚の要件は5つで、1つ以上に該当すれば・・・

前回の続きです。

 

<審判離婚>

 

調停が成立しない場合には、家庭裁判所は職権で離婚の審判をすることができます。審判離婚は裁判離婚に近いものです。

 

<裁判離婚>

 

夫婦は離婚の訴えをすることができます。民法に定められた5つの理由の内の、1つ以上の要件を満たすことが必要です。

 

[図表1]裁判離婚の要件

 

⑤にあたると認められた例としては、性格の不一致、夫婦の一方と他方の親族との不和(嫁姑関係など)、難病(アルツハイマーなど)、宗教活動(妻が新興宗教にのめりこむ等)などがあります。肉体的・精神的なズレや、別居期間の長さや、未成年の子がいないことなどを全体的に考慮すべきものです。

 

壊れてしまった婚姻は、流すしかないという破綻主義理論が背景にあります。

 

婚姻中に使っていた「氏」を継続することも可能

<離婚の効果>

 

離婚によって婚姻は消滅します。

 

[図表2]離婚の効果

 

上の図表2の③で、婚姻中に使っていた氏を継続したい人は3ケ月以内に届け出ることによって、使用継続を認められます。上の黒板④において、子供の監護者と親権者は同じ人でも別々でも構いません。

 

上の図表2の⑤において財産分与請求の中には、財産関係の清算・離婚後の扶養・慰謝料の3つの要素が含まれています。

 

なお、判例は、既に財産分与が行われた場合でも、それが損害賠償の要素を含めた趣旨とは解されないか、またはその額及び方法が請求者の精神的苦痛を慰謝するに足りないと認められるときには、個別に慰謝料請求できるとします。

 

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連載そもそも親族って何? 相続を理解するための「親族の範囲」「婚姻」の基礎知識

法律の研究執筆者

1953年大阪生まれ。1976年早稲田大学法学部卒業。2000年早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係専攻修了。松下電送機器(株)勤務、関西外国語大学短期大学部教授、近畿大学教授を経て、現在、研究・執筆中。

主な著書に、「ビジネスマンの基礎英語」(日経文庫)「海外個人旅行のススメ」「海外個人旅行のヒケツ」(朝日新聞社)「大人のための英語勉強法」(PHP文庫)「私の英単語帳を公開します!」(幻冬舎)「法律用語がわかる辞典」「法律英語用語辞典」「条文ガイド六法 会社法」「法律英語入門」「アメリカの法律と歴史」「アメリカ市民の法律入門(翻訳)」「はじめての民法総則」「はじめての会社法」「はじめての知的財産法」「はじめての行政法」「はじめての労働法」「はじめての国際商取引法」(自由国民社)他多数。

尾崎哲夫ウェブサイト:http://www.ozaki.to

著者紹介

はじめての親族相続

はじめての親族相続

尾崎 哲夫

自由国民社

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