前回に引き続き、「得する相続」の鉄則を見ていきましょう。今回は、土地の状況の把握方法や、土地の売却に関する考え方などを紹介します。※本連載は、株式会社アレース・ファミリーオフィス代表取締役、アレースグループ代表で、一般社団法人相続終活専門士協会代表理事を務める江幡吉昭氏の著書、『500㎡以上の広い土地を引き継ぐ人のための得する相続』(アスコム)の中から一部を抜粋し、地主、都市農家など広い土地を引き継ぐ人のために、「得する相続」の鉄則を紹介します。

土地の状況は「必ず自分の足で」確認しにいく

鉄則④

得をしたければ、遠方であっても必ず自分の目で土地を見るべし

 

相続対策にはいろいろなやり方があります。解説書などもたくさん出ています。しかし、相続対策は複雑なパズルを解くようなものです。

 

相続人のうち誰がどの資産を引き継ぐのか、そのためにどのような方法を使うのか。同じような家族構成と資産内容であってもケースによって正解は違います。机上の議論で相続対策をしていてもうまくいきません。

 

例えば、所有する土地の上を高圧電線が通っていたり、隣に嫌悪施設があったりすれば、土地の評価は当然、変わってきます。土地の状況は必ず現場を見て判断しなければなりません。足を使い、汗をかいてはじめて、ベストの相続対策が見えてきます。

資産を受け継ぐため、地主から「経営者」へと進化せよ

鉄則⑤

いざとなったら土地を売る勇気を持つこと

 

地主や都市農家のみなさんはどうしても、いま所有している土地を守ることに意識が向きがちです。年配の方々は特にそうです。そのためつい「土地活用」といった宣伝文句にひかれ、駅から15分以上も離れたような立地にアパートを建ててしまったりします。

 

もちろん、一族として象徴的な土地はきちんと守るべきですが、すべての土地をそのまま維持しようというのは無理があります。相続税の評価額は高いけれど実際の価値は低いような土地、使いにくいような土地は早めに処分し、収益を生む資産に組み替えていくことを考えるべきです。

 

一族の将来のため大切なのは、個々の土地を守ることではなく、まとまった資産を継承していくことです。

 

鉄則⑥

土地を利用して収益を上げる「経営者視点」を持つべし

 

土地を守るのではなく資産を受け継いでいくということは、「地主一族」から「経営者一族」へ進化するということです。

 

土地をたくさん持っているだけの地主は今後、日本では消えていく運命にあるでしょう。土地そのものに価値があるのではなく、その土地からどのように収益を生むか、あるいは土地を収益資産にどう変えるかが問われています。

 

資産を所有する形態もポイントです。一般に、個人が多くの資産を所有するとさまざまなリスクが高まります。そこで、同族会社(ファミリーカンパニー)を設立し、その会社の株を持つほうが、相続対策の上でも選択肢が広がり、柔軟性が高まります。

 

地主や都市農家の2代目、3代目のみなさんにとって、「経営」という視点を持つことが、これからの時代には不可欠です。

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