変化の激しいグローバル化時代を生き抜くために必須となる、正しいビジョンの描き方とは何なのでしょうか? 本連載では、現代のサラリーマンが知っておきたいグローバル時代の「キャリア展望」を紹介します。

才能より重要な「やり抜く力(グリット)」

ペンシルベニア大学心理学教授のアンジェラ・ダックワースは、高い成果(ハイ・パフォーマンス)を出すためにはどんな能力が必要か、という研究を行った。

 

もちろん、分野ごとにそれぞれ必要とされる能力は異なっていた。スポーツの分野では高い身体能力が要求されたし、ビジネスの分野ではリスクを取る決断力が重要視された。

 

しかし、さまざまな分野に共通して必要となる、たった一つの大切な能力があった。それは「成功するまであきらめずに続ける力」だった。

 

多くの成功者には、そのキャリアの初期の時点で、自分よりもよほど才能に恵まれたライバルが存在していた。だが、その人たちは途中で挫折したり興味の対象が変わったりして、いつのまにかいなくなっていた。

 

残っているのは、最初はそれほど才能があるようには見えなかったとしても、一つのことを長年続けることができた人だけだった。しかも彼らは決して自分自身に満足することなく、成功者となってからも自己研鑚を続けていた。

 

成功する人を特徴づけるのは、驚異的な粘り強さだったのだ。アンジェラはこの力を「やりぬく力(グリット)」と名づけた。

 

多くの人が「自分には才能がない」といって、何かをはじめても途中でやめてしまう。しかし、アンジェラによれば、才能とグリットとには、まったく関連性がない。それどころか、才能があるとほめそやされた人々は、どちらかというと挫折に弱く、才能がないとされていた人々のほうが、同じことをずっと続けて、最終的な成功に至ることが多かったのだ。

高い成果を残すのは「やり続けた人」

この研究から導かれる結論はたった一つである。

 

もし、あなたにやりたいことがあるのであれば、いますぐやるべきだ。

 

そうすると、最初のうちは、たくさんの困難があなたを待っているだろう。しかし、そこでやめてはならない。なぜならば、成功するのは、最後までやり続けた人だけだからだ。

 

もっといえば、成功するために好きでもないことを苦痛に耐えながら続けることはおすすめできない。成功者の多くは、それをやることが好きでたまらなくて、やめろといわれても続けてしまうような性質を持っていたからだ。

 

「やり続けなければ成功できない」という言葉は私たちの心の琴線に触れるものである。

 

それは、努力が尊いからだ。さらに、実際に高い成果をあげるのが、やり続けた人たちばかりだという事実があるからだ。

 

フォード・モーター創業者のヘンリー・フォードは、次のような言葉を残している。

 

「たいていの成功者は他人が時間を浪費している間に先へ進む。これは私が長年、この眼で見てきたことである」

 

「努力が効果をあらわすまでには時間がかかる。多くの人はそれまでに飽き、迷い、挫折する」

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