エリートサラリーマン・須藤を通して「不動産投資」について学ぶ本連載。今回は、マンション購入の具体的な手続きについて見ていきます。

ローン審査を通過、マンションの購入が決定

銀行での折衝には、けっこう時間がかかった。鳥のような眼をした女性行員から「これで、おしまいです。長時間、おつかれさまでした。審査の結果は1週間以内にお知らせしますね」と言われたときには、ほっとした。


ずっと付き添っていた橘高も、安堵の表情を浮かべていた。


どんどんと進んでしまう事態に、不安がまったくなかったと言えば噓になる。


ただ、これだけいろいろな人の手を煩わせてしまっているのに、今さら解約したいとは言いづらい雰囲気もでき始めていた。


オレは、不安を押し殺して、クーリングオフや契約破棄のオプションは、できるだけ行使しないようにしようと決意した。


物事は、悲観的な面ばかりを見るものではない。むしろ、オレの将来は、マンションという不動産の所有と、そこからあがる家賃収入によって、盤石になったのだ。


3000万円、いや、4500万円という金額の借金の申し込みに、オレの頭はちょっとハイになっていたようだった。

 

1週間後、不動産投資ローンの審査に通ったという連絡が来た。この連絡は、すなわち購入が決まったということだ。

不動産の売買に必要となる、代金以外の様々な費用

とはいえ、銀行の不動産投資ローン3000万円が認められたからといって、支払いがすんなりと終わったわけではなかった。


不動産の売買には、ほかにもさまざまな費用がかかって、意外とお金が入り用だった。


例えば、銀行は不動産投資ローンの融資にあたって、金利だけでなくさまざまな名目で手数料を取る。それがだいたい、借入金額の約2.5%。3000万円の借り入れであれば、約75万円。ちょっとした金額だ。


それから、売買にあたっては仲介をする不動産会社も仲介手数料を取る。これが約3%。物件価格が3000万円なら、おおよそ90万円だ。幸い、今回は売主が不動産会社であったため、仲介手数料はサービスしてもらえた。こんなところにも、ゴールデンゴール商事を選んで、すべてを任せたメリットがある。


そして、不動産を手に入れたときに、その所有を記録する登記にかかる手数料がある。司法書士に頼んだ場合は、登記費用と報酬額を合わせて30万円以上になる。


最後に、国に納める税金がある。不動産の取得には不動産取得税がかかる。これが約4%で、それだけで100万円を超えた。さらに、毎年かかる固定資産税の前払いがある。これは25万円くらいだった。


全部合わせると、200万円以上の出費になった。これらは貯金を崩して払うことにした。


手続きが終わると同時に、銀行からゴールデンゴール商事に3000万円が支払われた。こうして、ゴールデンゴール商事の建設した新築マンションの一室は、オレのものになったのだ。

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    杉田 卓哉

    幻冬舎メディアコンサルティング

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