本連載は、社会保険労働保険手続きや給与計算等に関するアドバイスを行う、社会保険労務士法人小林労務管理事務所の著書、『これ一冊でぜんぶわかる!年金のしくみともらい方2017~2018年版』(ナツメ社)の中から一部を抜粋し、ややこしい年金制度の「しくみ」と、年金の正しい「もらい方」について分かりやすく説明します。

60歳以降、国民年金保険料は不要となるが・・・

国民年金は60歳まで加入しますが、厚生年金保険は70歳まで加入できます。そのため、60歳以降は、任意加入する場合を除いて、国民年金保険料は不要となります。

 

一方で、60歳以降も会社に勤務している場合は、厚生年金保険にそのまま加入していますので、厚生年金保険料が必要となります。つまり、老齢年金を受け取っているにもかかわらず、厚生年金保険料が老齢年金受給前と変わらず、給与から天引きされます。

 

なお、在職老齢年金のしくみで、年金が支給停止されて実際に受け取ることができない人も、厚生年金保険料は変わらず天引きされます。

老齢年金の受給中の働き方で、厚生年金保険料が変わる

会社に勤務している人が老齢年金を受給する際、次の選択肢があります。

 

[図表1]老齢年金受給後の会社員の働き方と厚生年金保険料

 

<ちょっと補足>

厚生年金保険に継続加入している人の70歳以降の老齢年金

厚生年金保険の加入は70歳までのため、70歳に到達した月に厚生年金保険の資格を喪失し、厚生年金保険料は不要となります。

 

ケース① 老齢年金受給前と同じように働く場合

老齢年金受給前と同じように厚生年金保険料がかかります。

 

ケース② 老齢年金受給前よりも給与額を下げて働く場合

厚生年金保険料も下がる手続きを行うことができる場合があります。

 

厚生年金保険料が変更となるのは、定年後再雇用契約の場合は、再雇用契約がはじまった月の保険料からです。これを同日得喪(どうじつとくそう)の手続きといいます。それ以外の場合は、変更後の給与が支給された月から4か月目の保険料から変更されます。これを月額変更の手続きといいます。

 

厚生年金保険料を変更することができる手続きは、勤務している会社で行います。条件によって異なりますが、給与が下がったにもかかわらず、厚生年金保険料が変更されていない場合は、会社に聞いてみることをおすすめします。

 

なお、②老齢年金受給前よりも給与額を下げて働く場合に、厚生年金保険の加入要件を満たさない勤務条件へ変更となった場合は、厚生年金保険の資格を喪失しますので、厚生年金保険料はかかりません。

 

ケース③ 退職する場合

厚生年金保険の資格を喪失するので、厚生年金保険料はかかりません。

 

[図表2]厚生年金保険料の同日得喪と月額変更

 

<ちょっと補足>

70歳以上で会社に勤務している人の老齢年金は?

70歳以上で厚生年金保険の資格を喪失していても、会社に継続して勤務している場合は、在職老齢年金のしくみにより年金額が支給停止となる場合があります。

これ一冊でぜんぶわかる! 年金のしくみともらい方2017~2018年版

これ一冊でぜんぶわかる! 年金のしくみともらい方2017~2018年版

社会保険労務士法人 小林労務管理事務所

ナツメ社

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