運用対象として注目を集める「優先証券」とは何か?

優先証券の運用に特化した米国スペクトラム・アセット・マネジメント社。本インタビューでは、最高執行責任者(COO)のマシュー・R・バイヤー氏に、優先証券とはそもそも何か、そして、運用対象としての特徴や魅力などを最新事情を含めて語っていただいた。聞き手は、香港の新しい金融機関であるニッポン・ウェルス・リミテッド(NWB/日本ウェルス)の幾田朋彦氏である。

弁済順位が債券に劣後し、普通株より優先する有価証券

幾田 非常に基本的な質問ですが、まず初めに、優先証券とは何でしょうか? 伝統的な確定利付債券との違いを教えてください。

 

バイヤー 優先証券を一般化しようとするなら、弁済順位において債券に劣後し、普通株より優先する有価証券とでも言いましょうか。優先証券とは、発行体が投資家に販売する有価証券の総称です。それらは劣後債かもしれませんし、トラスト型優先証券かもしれません。もしくは、コンティンジェント・キャピタル債(CoCo債)や、その他の資本を増強する有価証券の場合もあります。

 

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こういった金融商品に共通していることの一つは、伝統的な社債(シニア債)よりも弁済順位が劣後しており、普通株式よりは優先されているため、伝統的な社債よりも高い利率(劣後プレミアム)がつけられていることです。

 

なぜ企業が、相対的に高い劣後プレミアムを払ってまで弁済順位において劣後する優先証券を発行するのかということですが、これには二つの理由があります。

 

一つは、これらの有価証券で調達されたお金は当局から定められた規制上の自己資本(Tier 1ないしはTier2資本)として組み入れることが可能なこと。世界中の銀行や保険会社といった金融機関にとって、これは重要な特徴です。

 

もう一つは、優先証券が普通株に代わる割安な資本調達手段であることです。優先証券で集められたお金は債券に劣後するため、優先証券での資本調達が多いほど、よりシニアな債券の信用格付を補強できるのです。つまり、優先証券は、特定の型のある金融商品ではなく、様々な種類、異なる性質を持つ複雑な金融商品と言えるでしょう。また、優先証券の発行体は銀行、保険、証券会社等の金融セクターに集中していることも特徴的です。

 

資本構造とは、企業が様々な種類の株式、債券、ハイブリッド証券を発行することで構成される資本構造のことです。プリファード・セキュリティー
ズ(優先証券)とは、劣後債、トラスト型優先証券、ハイブリッド証券、エンハンスト・キャピタル、偶発転換社債(CoCo債)、その他Tier1(「AT1」)、累
積型優先証券、非累積型優先証券を指します。累積型優先証券の場合、発行体が当初予定通りに配当を支払えなかった場合に累積されます。これらの
発生した配当金は普通株の配当金に優先して支払われます。
資本構造とは、企業が様々な種類の株式、債券、ハイブリッド証券を発行することで構成される資本構造のことです。プリファード・セキュリティー ズ(優先証券)とは、劣後債、トラスト型優先証券、ハイブリッド証券、エンハンスト・キャピタル、偶発転換社債(CoCo債)、その他Tier1(「AT1」)、累 積型優先証券、非累積型優先証券を指します。累積型優先証券の場合、発行体が当初予定通りに配当を支払えなかった場合に累積されます。これらの 発生した配当金は普通株の配当金に優先して支払われます。

優先証券は資金調達ではなく「資本調達」手段の一つ

幾田 なるほど。一つ目の違いは、割安な規制上の資本であること、二つ目は、その債券と株式の中間的な商品性からシニア債の信用を補完する、ということですね。まとめると、割安な財源、もしくは資金調達手段というところでしょうか。

 

バイヤー 資金調達ではなく、資本調達です。資本というのは、銀行にとっては魔法のような言葉ですね。資金調達は預金であったり、借金であったり、流動性を確保する上でより割安な調達手段は無数にあります。

 

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資本というのは、通常は普通株、内部留保、そしてこうした優先証券によって調達された資金を指します。優先証券はその性格上、発行されたとしても、普通株の価値の希薄化を招きませんし、株主の議決権にも影響を与えません。なのに、調達された資金は発行体に取っての負債ではなく、資本に分類できるので、非常に使い勝手が良いのです。

本稿は、情報提供を目的として、インタビュー時点での経済データ等をもとに個人的な見解を述べたもので、スペクトラム・アセット・マネジメント社およびNWBとしての公式見解ではありません。また、特定の金融商品への投資の勧誘を目的とするものではありません。

マシュー・R・バイヤー

スペクトラム・アセット・マネジメント社 最高執行責任者

シニア・バイス・プレジデントとして2007年に入社。商品開発、クライアント・リレーション、マーケティングおよび資産運用を担当後、2010年1月に現職に就任。スペクトラム入社前は、A.G. Edwardsファイナンシャルサービスグループのバイス・プレジデントおよびディレクターとして8年間勤務。
1991年にArmstrong Teasdale LLPの弁護士としてキャリアをスタートして以降、優先証券の発行会社や引受業者の代理人としての経験を積む。イリノイ大学アーバナシャンペーン校の数学学士および法学博士(J.D.)。ミズーリ州およびイリノイ州法曹協会会員。

著者紹介

幾田 朋彦

Nippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank(NWB/日本ウェルス) シニア・マネージャー

2006年より三菱UFJモルガン・スタンレー証券(入社当時は三菱UFJ証券)にてリテール営業、株式、仕組債、商品戦略等の幅広い業務に従事。2011年から2012年にはニューヨークのモルガン・スタンレー・ウェルスマネジメント(当時はモルガン・スタンレー・スミス・バーニー)でマネージド・アカウントをはじめとする米国の富裕層ビジネスの現場で経験を積む。2014年、現職であるNippon Wealth Limitedの商品およびビジネスデベロップメントの責任者として就任。国際基督教大学卒。
WEBサイト https://jp.www.nipponwealth.com/

著者紹介

連載専門運用会社のCOOが語る「優先証券」の魅力

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