前回は、確定拠出年金(401kプラン)について解説しました。今回は、期間限定の一括収入系資産である「生命保険」と「海外投資信託」について見ていきます。

保険商品の利用では、運用利回りの最低保障に注目

前回に引き続き、投資商品を紹介していきます。

 

【生命保険】

 

期間限定の一括収入系資産の2つ目は、貯蓄性の高い生命保険です。

 

たとえば、「積立利率変動型終身保険」といった保険商品があります。終身保険の一種ですが、最低限保証してくれる利率が決まっており、その水準を超えれば受け取れる保険金が大きく増えるタイプのものです。

 

こうした保険商品で一括収入系資産を形成していく時のポイントは、運用利回りの「最低保証」がどの程度確保されているのかです。いわゆる「返戻率」の最低保証を意味するものですが、「最低保証付○○保険」というのが、キーワードになります。

 

良いものだとかつては3%台に達するものもありましたが、現在だと1%台というところでしょうか。いずれにしても、最低保証が付いていれば、一定の運用利回りは確保できることになります。問題は、最低保証が適用されるまでには一定の期間が必要で、その前に解約すると大きく元本割れしてしまうケースがあることです。

 

保険商品は、このように条件が複雑で分かりにくいため、事前に調べておく必要があります。加入する前には、保険の外務員の説明をよく聞くことも大切ですが、利害関係のない専門家に相談してみるのもいいかもしれません。

日本以外で口座を持つことも「リスク分散」の一つに

【海外投資】

 

ここでは、海外で販売されている投資信託等を紹介します。

 

海外には高い運用益を確保できる投資信託が数多く揃っており、たとえば複数の投資信託をひとつのパッケージにして積み立てていく商品などが近年注目されています。「ファンド・オブ・ファンズ」を使った「海外積立ファンド」の一種ですが、日本の積立商品では考えられない高い運用成績を残しています。

 

ファンド・オブ・ファンズというのは、複数の投資信託をひとつのパッケージにまとめて、単一の投資信託として商品設定した金融商品のひとつです。

 

香港などで購入できる「海外積立ファンド」のなかには、たとえば毎月500米ドルずつをクレジットカードから引き落とす形にして積み立てていくことが可能な商品などもあります。言い換えれば、海外に口座を持たなくても積立ファンドに投資できる仕組みになっており、気軽にできる海外投資のひとつと言っていいでしょう。

 

受取口座としては海外口座の開設をお勧めします。たとえば、ポートフォリオ上では「資産分散はバッチリ!」という方でも、ひとつの銀行口座に円もドルも貯金している場合、銀行が破綻すると1000万円以上は補償されませんし、外貨はペイオフの対象外です。日本以外で口座を持つこともある意味リスク分散になるのです。

 

また、海外で設定されている投資信託のなかには、場合によっては年間20%の運用益を達成できるケースもあります。海外口座を開設しておけば、こうした資産運用も可能になります。

本連載は、2015年8月4日刊行の書籍『開業医のための資産形成術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

開業医のための資産形成術

開業医のための資産形成術

恒吉 雅顕

幻冬舎メディアコンサルティング

かつて開業医は、勤務医より圧倒的に収入が多く、リタイア後の悠々自適な生活を保障されていたことから、将来安泰な職業だと言われていました。しかし今、税制改革による富裕層への増税や、2025年問題へ向けた医療制度改正によ…

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