2020年の東京五輪を見据えて活況な不動産市場。しかし、五輪後どうなるのか、その不透明感は強く、すでに先を見据えた動きもある。ますます勝ち負けの差が出ると予想される収益不動産投資だが、成功の秘訣はどこにあるのか。本連載では、創業130年超の東証一部上場企業であり、これまでに数多くの不動産投資を成功させてきた、株式会社エー・ディー・ワークスの取締役・田路進彦(トウジ ノブヒコ)氏に、「キャッシュフロー」を極大化させる収益不動産投資について伺っていく。第2回目は、「目利きの力」がテーマである。

立地による収益物件の「価値の差」を正確に把握

前回、投資家の方が、収益不動産によってキャッシュフローを極大化しようと考える際、様々なリスクをヘッジした物件を選ぶことが非常に重要であるという話をしました。繰り返しになりますが、当社では次の3つの力で投資家をサポートすべく、日々研鑽しています。


1.有望な物件を見極める「目利き」の力
2.より高い収益性を確保するための「企画」の力
3.物件の価値を維持・向上させる「サポート」の力


良い“素材”を仕入れて、顧客ニーズにマッチしたものにし、しっかりとアフターフォローをする。こう言ってみれば、上記の3つの力を磨くことは、どんな商売にも通じる当たり前の王道だとわかります。

 

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今回ご説明するのは、収益物件を仕入れるための「目利き」についてですが、その前提として、立地による収益物件の「価値の差」を正確に把握しておくことが必要です。


一般に収益不動産物件の価値は、まず利用駅の“駅力”(駅を中心としたエリアの人気)と、その駅からの距離がベースになります。ただし、たとえば「〇〇駅から徒歩10分圏内」といった指標は、本当におおまかな目安にしかなりません。

 

なぜなら、同じ駅でそこからの距離が同じであっても、たとえば西口と東口で物件価値が大きく異なることがあるからです。また、町名が変わることによって、少し遠くても「〇〇町」という名前になっているエリアの方が高い価格になることもあります。

 

このように、「〇〇駅徒歩〇〇分」という情報だけではなく、不動産の個別の立地状況を詳細に見ていかなければなりません。そして、物件の「適正価格」は、多くの収益物件の取引実績を保有していなければ、正確に判断することはできません。

 

ここに、他社に先駆けて収益不動産再生事業を行い、過去400件超の収益不動産販売実績を積み上げてきたエー・ディー・ワークスの強みがあるのです。

「以前より高い賃料」の物件に生まれ変わった実例

物件の「目利き」とは何かと言えば、その物件が持つ潜在的な価値(ポテンシャル)を見抜くことです。ただし、物件がもつ潜在的な価値というのは、どこかに書かれているものではありません。あくまで「こうではないか」という仮説を立て、実際に取引していくなかで検証するしかありません。やはりここでも、ものを言うのは「経験値蓄積」なのです。


たとえば、以前手がけた収益物件に、JR中央線「立川」駅南口の事務所ビルがあります。立川駅は北口の再開発が行われ、中央線の中で最も注目されている駅の一つです。かつて、本物件が所在する立川駅の南口には市役所があり、周辺はオフィス街でした。ところが、2010年の市役所移転に伴い、賃貸事務所のニーズが激減してしまいました。我々が実際にその物件を見たところ、オフィス用途としては難しいものの、住居用途としては魅力的な物件に生まれ変わると確信しました。本物件が属する街区はオフィスが過半をしめていましたが、隣の街区には住居も多く、いずれこの街区も住居系になり変わっていく可能性が高いという予想が背景にありました。


同時に、オフィス用途を住居用途にコンバージョンする場合には、建築基準法や消防法など、遵法性をクリアしなければならない条件もあり、それらが実行可能かどうかは、物件ごとに異なります。この判断は、経験がなければできないものですが、私たちはそれまでにコンバージョン物件も数多く手がけていたため、遵法性も含めて「本物件は住居にすべき」という判断がすぐにできたのです。


そして、実際に住居へコンバージョンした結果、稼働率は向上し、さらに以前より高い賃料で貸し出せるようになり、最終的にキャッシュフローも増大する結果になりました。


このように潜在的な力は持っているのに、それを活かし切れていない物件を見つけ出すことが、私たちの「目利き」の力だと言えます。

 

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そうして見つけた物件を、経験に基づくさまざまな「仮説」によって徹底的に検証します。そして生まれ変わらせることが可能であると判断したら、今度は、その物件の価値が最大になるように企画し、実践します。目利きができても、肝心の企画・実践ができなければ、意味がありません。


次回は、その点についてご説明します。

取材・文/椎原 芳貴  撮影/永井 浩 
※本インタビューは、2017年12月25日に収録したものです。

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