2018年の不動産マーケット 投資家たちはどう見ている?

今回は、2018年の不動産マーケットにおける、投資家の見方などを取り上げます。※ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社のシービーアールイー株式会社(CBRE)。本連載では、そのリサーチ部門が世界の不動産市場の最新情報をお伝えします。

地方都市のオフィス賃料は、今後2年間は上昇が続く!?

都心のオフィス賃料は上昇余地が限定的という見方が投資家の間でも広がりつつある。キャッシュフローの今後の成長見通しの不透明から、買い手はより慎重になるだろう。なお、CBREによる投資家調査によれば、不動産投資家の48%が、東京の不動産価格は今がピーク(「好況期→後退期」)と回答している(図表1)。

 

一方、東京とは逆に、地方都市においては札幌、京都、福岡を中心にオフィス賃料の上昇は加速している。CBREでは、地方都市のオフィス賃料は、今後2年間は上昇が続くと予測している(図表2)。地方都市の利回りについての投資家の見立ても、引き続き低下傾向にある。

 

[図表1]投資家のマーケット(不動産価格)の認識-オフィス(大型)

出所:CBRE、2017年10月
出所:CBRE、2017年10月

 

[図表2]オフィス都市別賃料と空室率の予想(2017 -2019)

注: 東京・名古屋・大阪はグレードA。その他の都市はオールグレード
出所: CBRE、2017年11月
注: 東京・名古屋・大阪はグレードA。その他の都市はオールグレード 出所: CBRE、2017年11月

不動産業向けの貸出額も頭打ちの様相

投資家の資金調達環境も変化しつつある。前述のとおり、株価下落によりJ-REITの公募増資が減少したほか、不動産業向けの貸出額も頭打ちの様相を帯びてきた。全業種に占める不動産業向け新規貸出額の割合は2016年に27%に到達してからはほぼ横ばいで推移している。貸出額も2017年6月期には6四半期ぶりに前年同期を下回った。金融機関の融資可能額が投資家の希望する額に届かないケースが散見されるなど、金融機関がより慎重になっている様子が窺える。


CBREの推計によると、2014年以降アジア太平洋地域でクローズドエンドファンドが調達した資金は、レバレッジ後で総額1,160億ドルと推計される。そのうち、これまでに投資されたのが約6割で、日本に対してはオーストラリアに次いで2番目に大きい150億ドルが投資されたと推計される。残りの資金はアジアの先進国を中心に投資される見込みで、なかでも日本はコア・コアプラス、バリューアッド投資案件に資金が流入するとみられている。

 

[図表3]全産業への新規貸出金に占める不動産業の割合

注:割合は4四半期の移動平均値
出所:日本銀行、CBRE、2017年11月
注:割合は4四半期の移動平均値 出所:日本銀行、CBRE、2017年11月

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写真は、リサーチ エグゼクティブディレクターの大久保寛氏。
CBREのリサーチ部門の責任者として、オフィス、物流施設、商業施設の賃貸市場ならびに売買市場のリサーチ業務を統括。製鉄会社および投資銀行勤務を経て1997年から2013年まで証券アナリストとして株式リサーチ業務に従事。2000年からはJREITを中心に不動産セクターを担当。UBS証券、ゴールドマンサックス証券、マッコーリーキャピタル証券、みずほ証券を経て、2013年10月より現職。

著者紹介

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