今回は、地方都市のオフィスマーケット市場の動向を見ていきます。※ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社のシービーアールイー株式会社(CBRE)。本連載では、そのリサーチ部門が世界の不動産市場の最新情報をお伝えします。

仙台の賃料は過去に例のない勢いで上昇か

<札幌>

2017年は、2015年以来2年ぶりとなる新築ビルが満室で竣工した。新築ビルへ移転したテナントの移転元ビルでは二次空室の発生もなく、空室率は0%台が続いた。コールセンターを中心に新規開設・拡張ニーズは依然強いものの、受け皿となるスペースがほぼない状況。2018年、2019年にそれぞれ予定されている新築大型ビルへの期待が高まっており、いずれも高稼働で竣工する見通し。

 

<仙台>

2014年以来3年ぶりに供給されたビルはほぼ満室で竣工した。新築ビルへ移転したテナントの退去スペースも含めて、2017年は空室の消化ペースが加速した。幅広い業種において新規開設・拡張ニーズが旺盛。立地・設備改善を目的とする移転の他、増床を伴う集約移転の動きも目立っている。今後2年間、新規供給の予定がなく、賃料は過去に例のない勢いで上昇すると予想。

横浜の空室在庫は順調に消化される見込み

<さいたま>

さいたまの空室率は2017年を通して0%台と、需給が非常にタイトな状況が続いた。新規開設・拡張ニーズに加え、郊外から大宮駅周辺への立地改善を目的とした移転ニーズも増えている。そのため、解約予告が出た場合は募集が出る前に後継テナントが決まってしまう状況。当面、需給はタイトな状況が続き、賃料は今後も緩やかに上昇していく見通し。

 

<横浜>

2017年上期は「みなとみらい」エリアで大型ビルが竣工。3年ぶりの新規供給となった。同ビルは満室での稼動となり、空室率はQ2に2.9%まで低下した。一方、下期は同エリアでもう1棟の大型ビルが空室を残して竣工。上期竣工した新築ビルへ移転したテナントの移転元ビルでの二次空室の発生により、空室率は一気に上昇した。ただし、郊外からの立地改善や集約移転のニーズは強く、空室在庫は順調に消化される見込み。それらのビルの稼働率が高まるにつれ、全体の賃料は緩やかに上昇していくだろう。

 

<金沢>

2017年に賃料は9年ぶりに1万円台を回復した。人材確保を優先したい企業が、賃料が現行以上でも採用に有利と考えられる立地やビルのグレードアップを検討する動きが出始めている。郊外からの立地改善ニーズにより金沢駅周辺を中心に空室率はさらに低下する見込み。賃料の上昇トレンドは今後も続くと予想する。

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