価格上昇、特典税制・・・マルタ共和国の不動産投資のメリット

前回は、マルタ共和国で「居住権」を得るための条件について解説しました。今回は、マルタ共和国の不動産投資のメリットを見ていきます。

2016年の不動産価格上昇率は13.8%

好調な経済環境に伴い、また、これまでに紹介しました「投資移民プロジェクト」による不動産購入者の増加により、「Central Bank of Malta(マルタ中央銀行)」によると、2015年のマルタにおける不動産価格上昇率は10.03%、2016年には13.8%と上昇を続けています。

 

[図表1]マルタの不動産価格上昇率

 

2016年の欧州各国の不動産価格上昇率において、マルタはアイスランドに続く第二位で、ヨーロッパ全体の4.7%、ユーロゾーン平均の4.1%を大きく上回っています。

 

このような状況ですと、バブルを懸念される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、2017年10月12日発刊の現地新聞「Malta Today」は、マルタは2004-2005年にバブル崩壊を経験しているので、繰り返さないよう定期的に調査をし、慎重に防衛策を考えていると伝えています。マルタ最大の銀行である「Bank of Valetta」も、現時点で需要が供給を超えているためバブルとはいえず、不動産価格上昇は、経済成長で豊かになったマルタ国民による不動産購入数の増加と、MRVPをはじめとする外国人による投資の増加が原因である、と発表しています。

現地での「キャピタルゲイン税」は廃止

また、マルタの不動産市場の利点として、多くの税金が免除されていることがあります。不動産取得税、固定資産税がそれぞれかからず、キャピタルゲイン税も廃止されました。よって、不動産購入時に支払う税金については、事実上、不動産価格の5%に相当する印紙税のみとなります。

 

居住権の取得を希望される方は、「不動産を5年間保持する」という条件を満たさなければなりませんが、

 

1.不動産の購入――ゴゾ島/マルタ島南部であれば27万ユーロ以上、それ以外の地域では32万ユーロ以上、の不動産を購入

 

2.不動産の賃貸――ゴゾ島/マルタ島南部であれば1万ユーロ/年以上の不動産を賃貸、それ以外の地域であれば1万2,000ユーロ/年以上の不動産の賃貸

 

のどちらかを満たせばよいため、5年間が経過する前に「売り時」と判断された際には売却し、新たに別の不動産を購入、あるいは賃貸をすれば、永住権の保持には問題ありません。

 

[図表2]マルタ地図

出典:All About マルタお役立ち地図(https://allabout-malta.com/malta-map/)
出典:All About マルタお役立ち地図

 

マルタへの居住は希望せず、他の方へ貸し出したい場合には、SDA地域 (Special Designated Area)に所在する不動産を購入する必要があります。SDAは一箇所に固まっておらず、マルタ各地に散らばっており、一般に海がよく見える立地のよいところに位置し、ひとつのプロジェクトに100以上のマンションがあります。それらの多くに、レストラン、プール、商店等の優れた設備が備わっています。

 

利回りは一般的ですが、専門の民宿業者を利用することで、実際に見積もりを出してもらったところ、賃料収入にかかる所得税15%を差し引いて、利回り10%以上も実現可能です。

 

[図表3]賃貸収入の見積もり

 

それでは、マルタの国債は安全なのでしょうか?

 

[図表4]マルタ国債の評価

 

格付け会社の評価でおおむね「A」になっており、まず安全といえそうです。また、証券会社の役員を務めている方の見解では、「5年間保有して上下5%くらい」という、まさにローリスク、ローリターンといえる国債であるとのことです。国債に詳しくない方には、購入の際にファンド担当者が表の見方をご説明いたします。

 

[図表5]国債証券表

 

マルタはあまりに小さい国で、日本では一部の留学希望の方以外に注目される方は多くはないですが、リタイア後の休息、ビジネス、投資と、独特の雰囲気を持った、多くの可能性を秘めた島国です。居住、投資、旅行と、皆様にマルタを楽しまれる機会があることを願っています。

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

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宅地建物取引士

日本、シンガポール、北京にて、不動産賃貸業、国内・海外法務、日本企業の海外進出サポート業務などに携わった後、ヨーロッパのマイナー国家への海外不動産投資業務、海外移住サポート業務に従事している。現在は北京と東京を行き来しながら、ポルトガル、スペインをはじめ、ギリシャ、キプロスなど数カ国の不動産を取り扱う。
不動産投資においては、各国の法律、税制、金融について詳細なアドバイスを心がけ、移住においては、顧客それぞれの希望に合った生活環境、教育方針、医療体系などを備えた国・地域を提示できるよう、常に研究を重ねる。
親族の半分はブルガリアに在住、ギリシャ、キプロス、スペイン、マルタにも親族、友人、知人が在住している。

著者紹介

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