特集2015.12法人の税金対策&財務改善

税金 節税
連載法人で儲けたお金をしっかり残す「税金対策」【第5回】

税務調査に関連した「税務署からの資料請求」への対応法

税務署一般取引資料せん

税務調査に関連した「税務署からの資料請求」への対応法

前回は、税務署が調査先の選定などを目的に収集する「法定資料」と「法定外資料」について説明しました。今回は、実際に税務署から資料請求をされた場合の対応法について見ていきます。

「一般取引資料せん」は出す必要がない資料

一般取引資料せんは税務調査の重要資料であることから、税務当局はその入手に強い意欲をもっています。たとえば、国税庁のホームページでは、その提出を以下のように納税者に積極的に促しています。

 

「税務署では、適正・公平な課税の実現のため、法人及び個人の事業者の方々に「売上、仕入、費用及びリベート等」に関する資料の提出をお願いしております。資料の提出は、FD・MO・CD―R・DVD―Rによりデータで提出することもできます。提出用のデータの作成・保存に便利な入力フォームを当ホームページからダウンロードできますので、是非ご利用ください」

 

このような税務署側からの強い訴えかけを読むと、「提出するのが納税者の義務なのではないか」と思うかもしれませんが、前述のように、一般取引資料せんは法定資料ではありませんので提出する必要は全くありません。

 

出す必要がない資料は出さない――これは税務調査対策の鉄則といえます。法定外資料は出さないからといって何の不利益も受けません。逆に、出したことによって、すなわち税務署が法定外資料を入手したことがきっかけとなって、予期せぬ不利益を受けたり、面倒な事態に巻き込まれることになるかもしれないのです。

 

たとえば、税務署に言われるがままに、取引先のA社から購入した商品の代金を記載した一般取引資料せんを提出したとします。しかし、A社の側ではそれに対応する売上の記録が存在していなかった――ということになれば、税務署側に架空の支払計上を疑われることになるかもしれません。

 

このように痛くもない腹を探られる危険を避けるためにも、税務署に必要以上に自社の情報を与えないことが賢明といえるのです。

資料のコピー代は税務署に請求できる

なお、税務調査の際には、調査官から関係資料のコピーを求められることもあるでしょう。コピーを取るのは納税者の義務というわけではないので、基本的に調査官の求めに応じる必要はありません。ただ、無下に拒むのもためらわれる、その程度のことは応じてもいいと思うのであれば、せめてコピー代は請求するようにしましょう。

 

コピーの量が多いとそのためにかかる費用も馬鹿になりません。ケースによっては数万円の額になることもあります。あまり知られていませんが、税務署に請求書を送り自社の銀行口座を伝えれば、コピー代は後日きちんと振り込まれてきます。実際、筆者も顧問会社のために何度かコピー代の請求をしたことがあります。

 

それから、コピーを求められた資料については、自社用にもう一部コピーを取っておくとよいでしょう。税務署側にどのような情報を押さえられているのかを、正確に把握しておくためです。

 

また、税務署側からは、後日、コピーされた情報に関して疑問点などについて問い合わせがあるかもしれません。そのときに、スムーズに応じるためにも、自社用のコピーが必要となります。

本連載は、2015年11月12日刊行の書籍『「儲かる」社長がやっている30のこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

小川 正人

ステップアップ税理士法人 代表社員

ステップアップ税理士法人代表社員・税理士・行政書士。
1960年東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、税理士事務所を遍歴し、89年に税理士登録。95年、神奈川県厚木市にて独立開業する。2013年4月に経営革新等支援機関に認定される。日々の経理・会計、税務申告、顧問業務のみならず、経営診断・財務診断、経営計画の作成支援などを行い、財務に強い会社作りを支援。また、税務や会計にとどまらず、3C(カウンセリング、コーチング、コンサルティング)のノウハウを用いて、お客様が幸せに成功するためのお手伝いをしている。神奈川県中小企業家同友会では10年以上セミナーを実施し、述べ1000名を超える経営者に元氣を届けている。

著者紹介

連載法人で儲けたお金をしっかり残す「税金対策」

「儲かる」社長がやっている30のこと

「儲かる」社長がやっている30のこと

小川 正人

幻冬舎メディアコンサルティング

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