今回は、離婚の慰謝料の算定方法と、金額交渉のポイントについて見ていきます。※本連載は、離婚カウンセラーとして多数の離婚問題を解決してきた、岡野あつこ氏の執筆、弁護士・柳田康男氏/弁護士・山下環氏監修の『最新 離婚の準備・手続き・進め方のすべて』(日本文芸社)の中から一部を抜粋し、離婚で生じるお金の問題を見ていきます。

離婚に至る原因や、相手の支払い能力を考慮

離婚原因で慰謝料の対象となるのは、民法770条の離婚を求める事由を基準に考えられています。下の図表のように慰謝料には標準的金額はありますが明確な算定方法や算定基準がないので、離婚に至るまでの責任の大きさ、一方が受けた精神的ダメージの大きさなどを考慮し、また相手が支払える金額に考えあわせて請求をすることになります。

 

家庭裁判所の算定方法はさまざまですが、基本的には、離婚に至る原因の所在、責任の割合、婚姻期間などに資産・収入を鑑(かんが)みて決めるという方法を採用しています。

高額請求は避け、一括支払で受取れる金額を請求

離婚が裁判にまで発展した場合でも、慰謝料の金額はかなり幅がありさまざまです。

 

慰謝料を請求するときは、やたらと高額を請求しても仕方がなく、確実に受取れる金額を算定して、できるだけ一括で受取れるようにしたほうがいいでしょう。

 

ADVICE

慰謝料は多くもらいたい側と払いたくない側の間をとることが多い。相場より高くを申立てたり、低いと抵抗したりするのは当然のことと思って交渉にあたる。

 

[図表]慰謝料の標準的な金額

 
最新 離婚の準備・手続き・進め方のすべて

最新 離婚の準備・手続き・進め方のすべて

岡野 あつこ 著、柳田 康男・山下 環 監修

日本文芸社

離婚カウンセラー、夫婦問題研究家として26年間、約3万件の相談実績のある著者が実例をまじえ、離婚に関する、知っておきたいことすべてを具体的に解説。お金の問題、子どものこと、法律知識をわかりやすくアドバイスする。

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