本連載は、楽天証券経済研究所のシニアマーケットアナリストである土信田雅之氏の著書、『ど素人でも稼げる信用取引の本』(翔泳社)の中から一部を抜粋し、「信用取引」の基本と仕組みについて具体的に説明します。

資金や株式を借り、元手以上の売買を行う取引のこと

「信用取引とは、資金や株式を借りて元手以上の売買を行う取引」のことです――。信用取引を一言で説明すると、多くの場合でこんな感じの表現になりますが、ほぼ必ず含まれているのは、「借りて取引を行う」という文言です。

 

というのも、信用取引のしくみを理解し、活用していく上で欠かせない最大のポイントは、このキーワードをベースに考えることだからです。

信用取引に欠かせない「借りたものは返す」という考え

詳細はこの後詳しく見ていきますが、例えば、「何をいくら借りる」という視点に立てば、株券を借りることで売り建てができるとか、元手資金以上の金額を借りることで規模の大きな取引ができるなど、信用取引の特徴が分かります。

 

また、「借りたものは返さなければならない」という視点に立てば、信用取引には期日があることや、金利などのコストが発生すること、返済に不安が生じた際には追加の保証金が求められる理由なども理解できます。

 

通常の現物株取引では、注文を出す投資家、注文を取り次ぐ証券会社、注文の受付と取引を成立させる取引所が登場し、それぞれ株式取引の注文の流れという関係で役割が明確になっています。信用取引でもこの関係は変わらないのですが、これに「誰から借りるのか(誰が貸すのか)」という視点が加わり、少し複雑になります。

 

実は、投資家に資金や株券を貸しているのは証券会社です。そのため、投資家と証券会社とのあいだには、先ほどの「(注文の)出し手と取り次ぎ手」だけでなく、「(資金や株券の)借り手と貸し手」という関係が生じます。

 

しかも、証券会社が投資家の借りたいニーズに応えられない場合に、足りない資金や株券を貸し出してくれる証券金融会社という登場人物が新たに増えます。こうした信用取引の貸し借りの流れを押さえることで、逆日歩の発生や信用取引規制についても理解が深まります。

 

耳慣れない用語も出てきましたが、これから詳しく説明していきます。

 

[図表]大事なポイントは「借りて取引を行う」視点

本書に記載されている情報は、2017年4月執筆時点のものです。本書に記載された商品やサービスの内容や価格、URL等は変更される場合があります。本書の出版にあたっては正確な記述につとめましたが、著者や出版社などのいずれも、本書の内容に対してなんらかの保障をするものではなく、内容やサンプルに基づくいかなる運用結果に関してもいっさいの責任を負いません。

ど素人でも稼げる信用取引の本

ど素人でも稼げる信用取引の本

土信田 雅之

翔泳社

【本書のポイント】 ●豊富な図解で信用取引の仕組みがしっかり分かる ●信用取引のリスクを抑えて勝率を上げるテクニックを伝授 ●デイトレーダーに役立つ売買手法を解説 ●現物取引しかしない投資家にも役立つ情報が満載…

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