今回は、都会に比べて「田舎の賃貸需要」は本当に低いのかを考察します。※本連載は、不動産投資アドバイザーとしてコンサルやセミナーを行う多喜裕介氏の著書、『田舎大家流不動産投資術:たった3年で家賃年収4700万円を達成した私の成功法則』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、なぜ今、投資対象として「田舎不動産」がねらい目なのかを具体的に探っていきましょう。

県庁所在地の中心街や中心駅周辺は「局地的な都会」!?

(1)人口密度から見る田舎の定義

 

「田舎」や「都会」とはそもそもどのような場所をいうのでしょうか? 実は明確な定義などはありません。私は一種の比喩表現ではないかと思っています。

 

では、改めて「田舎」や「都会」を定義付けするために、人口密度に着目して考えてみます。

 

㎢単位の人口密度が1000人を超える都道府県は「埼玉」「千葉」「東京」「神奈川」「愛知」「大阪」「福岡」(以下、「都会」)のみで、その他の地域は圧倒的に人口密度が低いのです。

 

この「都会」が日本の人口の約半数を占めているため、相対的に他の地域は「田舎」になるかと思います(以下の図表1参照)。

 

[図表1]平成27年都道府県別人口密度一覧

総務省統計局「2- 2 都道府県別人口と人口増減率」を基に著者作成
総務省統計局「2- 2 都道府県別人口と人口増減率」を基に著者作成

 

ただし、「田舎」に分類される地域であっても、県庁所在地の中心街や中心駅周辺は極端に発展していたりするので、局地的な「都会」と言っても良いでしょう。

賃貸需要は全国的に「3割前後」存在する

(2)持ち家比率

 

以下の図表2を見てください。人口密度から考えると、「人口密度が高いと持ち家比率が低くなり、借家が多く占める」のではないかと考えがちですが、実際はそう単純ではありません。

 

[図表2]平成27年都道府県別持ち家借家比率一覧

 

「埼玉」と「千葉」は、「東京」より人口密度が低いですが、持ち家比率は高くなっています。

 

これは、東京のベッドタウンであることが影響していると考えられます。さらに言えば、この2県は人口密度が全国平均を優に超えるにもかかわらず、持ち家比率は全国平均よりも高いのです。ちなみに、「東京」の持ち家比率は全国で最下位です。

 

一方、「神奈川」「愛知」「大阪」「福岡」も、人口密度の低い周辺地域と比べると持ち家比率が低いですが、突出して低い「東京」と比べると大きな差はありません。

 

全国的に見ると、持ち家比率は「田舎」より「都会」が低いですが、それでもほんの数%程度です。つまり、持ち家比率が極端に低い「東京」を除けば持ち家比率は大差なく、賃貸需要は全国的に3割前後存在することになります。

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