スリランカの「タクシー・アプリ」登録にドライバーが殺到

写真:GTACスタッフ

スリランカのタクシー事情を劇的に変えてしまうポテンシャルを持つタクシー・アプリの「PickMe」。その登録を求めてドライバーたちが長蛇の列を作っていると創業者は語ります。スリランカのシェアリング・エコノミーについてお伝えしている連載の第4回です。

シェア型サービスがもたらす経済メリットとは?

既存の企業も、自社の余剰な資源をシェアすることで参入している。しかし、シェアリング・エコノミーで最もエキサイティングかつポテンシャルが大きいのは、やはり個人間でモノを貸し借りすることだ。

 

ニューヨーク大学のスターン・ビジネススクールのArun Sundararajan教授は、インターネットが可能にしたシェアリング・エコノミーの白熱ぶりを研究している。そのSundararajan教授は、右肩上がりに成長するシェア型サービスが、経済に対し長期的にどのような影響を及ぼすか理解するには時期尚早だと話す。

 

一方で教授は、取引コストの削減以外にも、金融資本のより良い活用法、経済活動の増大、生産性の拡大、消費オプションの多様化などが、シェアリング・エコノミーによってもたらされるメリットだという。

ドライバーの「身元」を担保する制度も

「PickMeに登録するドライバーは本質的に起業家です」とZulfer氏は話す。平均的に、トゥクトゥク・ドライバーは一日に1500Rs稼ぐ。しかし、PickMeを利用するコロンボのトゥクトゥク・ドライバーは一日5000~7000Rs稼ぐのだ。ドライバーの収入は、いかに乗客を取りこぼさないようにエリアを定められるかにかかってくる。たとえば5000Rsを稼ぐためには、有償距離にして143kmの走行が必要であり、効率的な動きが求められる。

 

PickMeに加盟したいドライバーは登録に先立ち、エチケットに関する研修を義務づけられ、さらに警察からの報告書、自治体の証明書、そして、免許と保険証のコピーを用意する必要がある。これらによって、きちんとしたドライバーであることをサービスは担保している。加えて、アプリにはユーザーがドライバーを評価できる機能が搭載されている。「一番良い評価を受けたドライバーを毎月末に表彰することは、彼らにとって刺激にもなります」とZulfer氏は言う。

 

PickMeへの登録希望者は相次ぎ、現在は2000台以上が登録され、そのうち60%はトゥクトゥクだ。登録待ちのドライバーもいる状況も踏まえ、2015年末までには登録車を5000台にすることを目指している。また、サービス規模の拡大と併せて、アプリ経由でタクシー料金を支払えるシステムの導入も目標になっている。これが実現できれば、PickMeはUberのように手数料収入を得ることが出来る。

 

「私たちは機会の扉を開いたのです。PickMeを利用するドライバーはその価値を目の当たりにし、PickMe用の端末を受け取るために言葉どおり行列が出来るのです」とZulfer氏は言う。各ドライバーに支給されるスマートフォンが不足しているため、1000人を超えるドライバーがPickMeへの登録を待っている。

 

次回は勢いを増すPickMeを企業価値という観点から考察していきます。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年10月に掲載した記事「Sharing Economy – Sharing economy firm gets Rs750 million valuation three months after launch」を、翻訳・編集したものです。

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『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

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