今回は、入居率の高い賃貸経営を目指すための「トータル家賃」という考え方について説明します。※本連載では、2級建築士・宅地建物取引主任者の齊藤正志氏の著書、『不動産を「加工」する技術』(現代書林)より一部を抜粋し、不動産を有効活用し、次の世代へも継承できる財産を作る「不動産加工」について解説していきます。

入居者に還元する「オール電化や太陽光発電」

賃貸の建物において、トータル家賃という考え方があります。建物を貸すオーナー側から見ると「家賃」となりますが、借り手側から見ると家賃+水道光熱費ということになります。

 

生活をするためには水道光熱費は必ずかかるものですから、毎月の定期的なトータル家賃ということになるわけです。家賃の設定をするには、周辺の家賃相場や建設コストから計算された、いわば収益還元ということから設定されます。これが水道光熱費を下げることができたら、借り手側から見ると大変喜ばれます。例えばオール電化や太陽光発電を屋根に設置をして、それを入居者に還元してあげることです。こうすることができれば、競合には強く、入居率の高い経営を目指すことができます。

 

しかしこれらの設備を設置するにはイニシャルコストがかかりますから、どうしても家賃を高く設定しなければなりませんが、それでもトータル家賃で入居者にメリットがあるようにすればいいわけです。

トータル家賃を安くするメリットとは?

例えばガスや灯油などを熱源とされた家賃が7万円/月、水道光熱費が3万5000円/月、合計10万5000円/月とします。これをオール電化+太陽光発電付きにした場合、水道光熱費を1万2000円/月まで下げることができれば、家賃を8万3000円、合計9万5000円/月になりトータル家賃は安くなります。

 

現実にこのような設備にすると約3分の1までコストダウンできました。このようにオーナーは単に家賃だけではなく、トータル家賃としての考え方を持つことも重要なことだと思います。これは、新築アパート、中古アパートの改築、さらには大型店舗などにも当てはまります。設備を変えることにより、経済的にも経営的にも大きなメリットが生まれます。

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