前回は、お客様とのトラブルを避ける「適切な相づちの打ち方」を紹介しました。今回は、挨拶の重要性を改めて考えてみましょう。

おもてなしのつもりが「ただのパフォーマンス」に!?

最上のおもてなしを提供するために、皆さん日々工夫し、おもてなしに磨きをかけているはずです。

 

ただし、ここで覚えておくべきなのが、「おもてなし」を「おもてなし」と受け取るか、それとも「おもてなし」と受け取らないかは、おもてなしする側ではなく、そのおもてなしを受ける側次第だということです。

 

自分では「おもてなしには心を込めています」と思っている人も、ここはいま一度日頃のサービスを振り返ってみる必要があります。

 

おもてなしの一つとして、デパートやショッピングモールの開店時の挨拶を思い起こす人もいるかもしれません。入店されるお客様に対して、従業員一同が一列に並んで「いらっしゃいませ」の言葉とともに丁寧に頭を下げるのは、日本人にとって大切なおもてなし文化の一つです。

 

晴れやかな笑顔からは「皆様は私たちの大切なお客様です」という気持ちが確かに相手に伝わります。「心を込めてお客様としてお迎えします」というメッセージは伝わり、来店客も「大切にされている」とそのメッセージを受け取ります。母国でこのような出迎えを受けたことのない外国のお客様の中には、大変感激される方もいらっしゃいます。

 

ですが、たとえば別の場面、お客様が本当にあなたの対応を必要とされている場合、特にお客様と1対1になった場合に、皆さんはきちんと目を合わせてお客様と挨拶を交わし、お客様のご要望を聞くことはできているでしょうか。

 

その心がけがなければ、ずらりと並んだ笑顔の挨拶も「パフォーマンス」になってしまいかねません。

おもてなしは「相手の心をつかむ挨拶」から始まる

いま一度、おもてなしにおける挨拶の重要性ついて考えてみましょう。

 

冷静に振り返ってみると、英語を習い始めた子供のころ私たちは「挨拶」という項目を学んだことはあるはずなのに、日々の中で習得されていないというのが現実です。

 

一流ホテル、デパートなどの研修項目の中でも、軽んじられているのが、実は、この「挨拶」です。「挨拶なら誰にでもできる」という前提、あるいは思い込みもその一因となっているのかもしれません。

 

実際の研修でも他の項目に比べて、与えられる時間が少ないために、「挨拶」が最も大切なサービスの現場でも、つい「挨拶」が置き去りにされる傾向があります。レストランなどでは、美味しい料理を出してお客様が満足してくだされば、それで十分であると思いがちになります。

 

「挨拶」は一瞬にして人と人をつなぐ大切な心の架け橋です。やはり「心が伝わらない挨拶」ではおもてなしとはいえません。相手の心をつかむ挨拶こそがおもてなしの入口であることを、しっかり心しておきましょう。

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