為替変動に対応した「外貨建て保険」の3つの出口戦略とは?

前回は、「資産運用型保険」の出口戦略について説明しました。今回は、為替レートの変動に注意を要する「外貨建て保険」の出口戦略について見ていきましょう。

為替レートの状況によって有利な出口戦略は異なる

前回は税金を円建てベースで考えました。外貨建ての保険を利用している場合には、そのときどきの為替レートで円換算をして、税額を計算します。

 

為替レートが絡んでくると、いつまでに投資を終えるかだけではなく、為替レートで有利な時期を考慮する必要もあります。為替レートが絡んできた場合の出口戦略としては主に次の3つがあります。

 

①外貨のまま受け取る

②為替状況を見て円転する

③他の保険商品で運用する

 

まず、①の「外貨のまま受け取る」です。実は資産運用型保険については、運用している外貨のまま受け取れるものがほとんどです。円に両替して受け取るから為替損益が表面化するのであって、外貨のまま受け取るのであれば損益は確定しません。最近では、海外に旅行したときに使うとか、子どもが留学するときの資金として持っておくなど、そのまま外貨で受け取る方もいらっしゃいます。

 

ただし、税金はすべて円換算になるということだけは変わりません。円換算した場合に、円安によって多額の円資産になっていればその分税額は増しますし、逆に、円高が進んだことで、円ベースとしては、投資成果が少なかった、または投資元本を割り込んだ場合では、税額は少なくなるかまたはゼロになります。

 

次に、②の「為替状況を見て円転する」です。これは①のケースで外貨のまま受け取った場合などに、為替が円安に進む時期を見計らって円に両替するということです。ひとまず外貨のまま保有しておき、円転してもある程度の資産が確保できるところまで円安が進んだら、そこで円に両替すればいいわけです。

 

資産運用型保険には「据え置き機能」というものがあり、いったん満期を迎えた場合でも、外貨のまま寝かしておけるシステムがあります。そのため、満期がきたとしても、絶対に円転して受け取らなければいけないというわけではなく、円安になるまでは保険会社に預けておくような形をとれます。そして、そろそろ希望通りの円安状況になってきたな、というときに保険会社から円に両替して受け取ればよいのです。

外貨で受け取って銀行の外貨預金に入金すると・・・

円安になったタイミングで円転するという方法ができれば、他の方法は必要ないと思われるかもしれませんが、1点だけ注意があります。それは、為替手数料です。いったん外貨のまま受け取って、銀行の外貨預金に入金してしまう場合は、満期時に円転するとなると、生命保険の安い為替手数料が適用されず、銀行の為替手数料が適用されるため、コスト高になる可能性が出てきます。

 

ただし、保険の「据え置き機能」を使って、保険会社に預かってもらうようなシステムを選択した場合は、出口の為替手数料は生命保険会社が定める為替手数料ですので、現状ですと非常に安い為替手数料で円転できることになります。

 

最後に、③の「他の保険商品で運用する」については、いったん外貨のまま受け取って、その外貨資産を次の資産運用型保険の保険料の原資にするというパターンです。外貨のまま受け取って、その外貨のまま次の運用商品に投資するため、為替手数料を支払う必要がないというメリットが受けられます。

 

ちなみに、よくある質問として、為替も含め、投資で出た損失については、他の外貨商品、外貨建て保険商品などと通算ができないことには注意が必要です。A商品で500万円の為替損が出て、B商品で1000万円の利益が出たからと言って、これを相殺することはできませんので注意が必要です。

本連載は、2015年1月27日刊行の書籍『生命保険で実現する最強の資産運用』から抜粋したものです。
本資料は、一般的な生命保険活用スキームを示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投資元本の利回りや運用成果等を保証するものではありません。また、本連載は、2015年1月1日現在の法令等に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。掲載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本連載で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険をかけられる人、その対象となる体を提供する人のことをいいます。

GTAC(ジータック)とは株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/

著者紹介

連載生命保険で実現する最強の資産運用

生命保険で実現する 最強の資産運用

生命保険で実現する 最強の資産運用

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

日本で一般的に利用されている保険商品は、死亡保険、医療保険、がん保険などです。その多くが「万一のため」のもので、掛け捨て型の場合は1円も回収できないことが少なくありません。多数の人がギャンブルのような保険を利用…

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