前回は、中古物件における「値付けの判断基準」を取り上げました。今回は、不動産価格を決める「物件の査定判断」のポイントを見ていきます。

「雨漏り」「シロアリの被害」は査定にひびきやすい

査定によって決まる不動産価格は、どんなに売り手が望んでも、希望どおりの値付けでは販売できない場合があります。不動産業者にしても、商売として取引をしています。ですので、売れない値付けをすることは難しいのが実情です。

 

売る側の業者から考えれば、アピールポイントとなる要素が多数あると、それだけ売り出しやすくなります。広告などの媒体でも強く訴えた結果、反響数もあがれば、有利に交渉を進めていくことも可能となります。そのような諸事情も、物件の査定判断に加わります。

 

だからこそ、「自分の物件にはこんな良いところがある」「このポイントは他の物件にはない特徴だ」というように積極的にアピールした方がよいでしょう。

 

反対に、査定にひびきやすいマイナスポイントは存在します。たとえば、雨漏りやシロアリなどの被害状況。これらは売買契約時には告知義務の対象となるため、必ず正直に話しておいてください。さらに、屋根や外壁、水回り、給湯設備なども査定時の参考にされています。これらの要素は、次に住む人によって気になるポイントとなるためです。

リフォームしても、新築時の価格は超えられない

ところで、リフォームの有無によって価格が変化すると考えている人は少なくないように感じます。しかし、たとえリフォーム工事をしていても、値段はそれほど変わりません。基準となる新築時の価格を大きく上回ることはないのです。

 

どんなにリフォームにお金を投資していても、木造住宅の築30年の物件は築30年という評価で見られてしまいます。建築年月日は変えられません。ですので、購入を検討する人からしてみると、リフォームの有無に関わらず、物件の魅力は乏しくなってしまうのです。

 

日本人は数字やスペックを重視する人が多く、車で言えば排気量何㏄、中古車で言えば何万キロ走っているかなどです。そのような事例からも分かるように、どんなにリフォームをしていたとしても、築年数というスペックで判断されてしまいます。

 

傍からみれば、築30年の古家は古家でしかありません。

 

木造の住宅に関して言えば、30坪くらいの20年経過した建物で数百万円ほどの値段しかつかない、そのように考えておくべきです。そして、築30年くらいになると土地値に100万円を加えた価格が物件価格になります。木造の建物30坪を解体するとなると100万円ほどかかりますので、その程度の価値しかないだろうということです。

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