前回は、「ESG指数」選定において、実際にGPIFが選定した指数の特徴を解説しました。今回は、2017年10月に金融庁が発表した「平成28事務年度 金融レポート」から、日米間の「家計金融資産」の格差について見ていきます。

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20年間で日本の家計金融資産は1.5倍に増えたが・・・

2017年10月に金融庁から、「平成28事務年度 金融レポート」が発表されました。今回は、その中から、日米の家計金融資産の比較を取り上げた内容を参考に、なぜ日米で家計金融資産の差がここまで広がったのかを解説します。

 

Q1.日本では、この20年で家計金融資産が1.5倍に。アメリカでは?

 

A:アメリカは3.3倍です。

 

正確には、アメリカでは、家計金融資産が1995年から20年間で3.32倍になっているのに対して、日本は1.54倍に留まっています。これだけを聞くと、日本は長期のデフレで苦しんでいるにも関わらず、アメリカは景気が良いと思われるかもしれません。

 

[図表1]家計金融資産の日米比較出典:平成28事務年度 金融レポート

 

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では、次のQ&Aではどうでしょうか。

 

Q2.日本では、この20年で運用リターンによる家計金融資産が1.2倍に。アメリカでは?

 

A:アメリカは2.45倍です。

 

好景気により給与が増えたとかではなく、「おカネに働いてもらったリターン」に大きな差があるのです。アメリカでは20年の間に、投資だけで金融資産を倍以上に増やしています。

 

[図表2]日米英の家計金融資産の推移出典:平成28事務年度 金融レポート

 

下記図表3は、2017年10月に日本の金融庁が発表したものです。着目すべきは、日米の家計金融資産の、預貯金と株・投資信託が、まったく正反対の内訳になっていることです。日本では5割が現預金、米国では5割弱が株・投資信託です。先ほどの、リターンはその結果としてご納得いただけるでしょう。

 

[図表3]家計金融資産の構成

出典:平成28事務年度 金融レポート

アメリカ人の所得の25%は「運用リターン」から

更に、日本人として理解したいのが、次の問です。

 

Q3.日本では、2015年の家計所得のうち、勤労所得と財産所得(運用リターン)の比率は8:1です。アメリカでは?

 

A:アメリカでは、3:1です。所得の25%は運用リターンとなっています。

 

日本人は、所得は汗水たらして働いた対価であり、運用リターンのようなものは「不労所得」という言葉に表されるように、投資による収入は軽んじられる傾向があったと、私は思います。しかしながら、労働にかける時間は有限です。非常に付加価値の高い仕事をされている人たちにとっても有限です。実は、労働でもしっかりと稼げている人ほど、時間の価値が分かっていますから、投資にも積極的です。要は「おカネに働いてもらう」ということを、もう一人の自分として、しっかり考える必要があるということです。

下記図表4は、日米の家計所得全体の中の勤労所得と財産所得の比率を表したものです。
米国では、家計所得のうちの勤労所得と財産所得の比が概ね3:1で推移し、家計をサポートしている、一方、我が国では、足元で8:1程度と、財産所得が家計所得に貢献できていません。

 

[図表4]日米の家計所得の推移

出典:平成27事務年度 金融レポート

 

日本においては、資産運用における成功体験が少なく、バブルとその後の不景気を経験し、「投資=投機」という固定観念が根強くあります。しかしながら、「おカネに働いてもらう」ことをしっかりと考えないと、このままの状態では、ますます日米の家計金融資産の差は広がっていきます。よく言われる、「複利効果」を考えれば、ますます広がることは必然です。

 

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本連載は、一般的な投資信託の仕組みなどを紹介することを目的にしています。投資を促したり、筆者が所属する「幻冬舎アセットマネジメント」に勧誘することを目的としたものではありません。また、投資にはリスクがあります。リスクに十分に考慮をして、投資判断を行ってください。本連載の内容に関して投資した結果につきましては、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

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