ベトナム人の目線から見たホーチミン中心地近郊の不動産事情

前回は、ベトナム人の目線から見た「ホーチミン」の最新不動産事情を紹介しました。今回は、ホーチミンの「中心地近郊」の不動産事情を見ていきます。

1区の対岸となる4区の川沿いは「大化け」の可能性も

前回は、ホーチミン市の中心地をメインに解説しましたが、今回は、中心地周辺と現在発展中、及び今後の発展が見込まれる地域を解説します。

 

まずは、少し前回を振り返ってみましょう。ホーチミン市は850万人以上の人口を抱え、同国のGDPの半数を占めるベトナム最大の経済都市です。日本と同じく行政区画が設定され、19の区と5つの県に区分されています。ホーチミン市の、行政・経済・文化等の都市機能が集中しているのは「1区」であり、中心地の1区と3区の周辺はベトナム人の間では旧名の「サイゴン」の名で呼ばれ、ベトナム戦争を知る世代にはこちらの名称のほうが馴染み深いという人も多いのです。

 

では、1区に隣接している4区から紹介しましょう。4区は、1区中心街と川を挟んで隣接している便利な場所にあり、ホーチミン市の区の中では最小の面積です。区内にはサイゴン港があり、港町・倉庫街のようなイメージの町で、数年前までは治安が悪く、川沿いには違法な水上住宅があり、貧困層の住居エリアでもあったため、ベトナム人の中には、未だによくないイメージを持つ人もいます。ただ、近年では川沿いの水上住宅は撤去され、インフラ整備が完成し、立地の良さを生かしたグレードの高いコンドミニアムが建設され始めています。

 

ベトナム人投資家の目線で言うと、1区中心地に隣接していながら割安なので、投資には最適です。しかし、未だベトナム人には4区の悪いイメージがついているため、積極的な投資エリアではありません。ただし、1区の対岸である川沿いのエリアには注目しています。なぜならホーチミン市1区に吸収される計画があり、1区に統合された途端、ダイヤモンドに化ける可能性があるからです。

 

続いて、5区、6区、8区ですが、この3地域は投資対象としては、まだまだこれからのエリアです。ローカル企業の開発プロジェクトはありますが、ベトナム人向けの住居がメインです。5区は中華街エリアでもあり、どちらかと言うと商売の街。6区、8区はベトナム人には郊外の住居地域で、中心地よりも住宅が安く、住宅購入を考える中間層にとっては比較的手が届く範囲のエリアです。「METRO 3A(都市鉄道)」、「METRO 5(都市鉄道)」の開発計画があり、これらが完成すると一気に住居地域として広がる可能性があります。

駐在ファミリーに人気の7区、国内外から注目集める9区

続いて7区です。中心地1区より南東の方向にあり、台湾資本により開発されたフーミーフン地区にはプール付きの高級アパートが立ち並び、各国のインターナショナルスクールも多く、韓国人をはじめとしたアジア系外国人が多数居住しています。日本のインターナショナルスクールもあり、特に駐在のファミリー層には人気のエリアです。現在もフーミーフンを中心としたエリアでは日系企業を含め、高級コンドミニアムの開発が続いており、投資対象地区になっています。

 

ベトナム人投資家目線で見ると、短期的なキャピタルゲインや賃貸利回りはあまり見込めません。なぜなら、中心地区までの交通インフラが悪く、朝夕のラッシュ時は1時間~1時間半は当たり前、天気が崩れたら2時間以上かかる事もざらです。そのため生活の拠点が7区で済む人なら良いのですが、それ以外の人には非常に不便な地区で、ベトナム人いわく「陸の孤島」です。ただ、長期的に見た場合には、7区から中心地向けの道路整備の計画や、フーミーフン中心から「METRO(都市鉄道)」に連結するフーミーフン独自のモノレール開発、さらには隣接する「Nha Be地区」から2024年開港予定の「ロンタン国際空港」へ繋がる橋の建設計画があり、道路インフラが整備されれば、現在よりも更に魅力的な投資先となります。

 

続いて9区。ホーチミン市の中心地区1区より北西方向に位置し、前回紹介した、最も投資家が注目している地域・2区の延長線上にあります。「METRO 1号線(都市鉄道)」の沿線に位置し、これから益々発展が見込まれる投資地区です。現在はハイテク工業団地、貨物の物流拠点としての位置付けになっていますが、今後は貨物港の移転などが計画されており、中心地近郊の住宅用地エリアとして注目を集めています。

 

ベトナム人投資家目線でも、9区は大変注目されている地域です。既にハイテク工業団地に進出しているサムスン(韓国)の影響もあり、韓国系企業のコンドミニアム開発が進んでおり、特に韓国人からの投資が多いのが特徴です。今年の暮れにはVinhomesが敷地面積約350ヘクタールの中間層向け大型開発「VIN CITYプロジェクト」の販売を予定しています。このプロジェクトでは、ベトナムの中間層をターゲットにコンドミニアムの売出しが予定されています。販売単価は、650USD/㎡からと想定されており、1ベッドが約3万ドル強ほどから購入できるため、ベトナム人の間でも非常に注目を集めている開発プロジェクトです。他にもロンタン国際空港(2024年開港予定)寄りにあり、今後は立地面でも良い地域となります。

 

次回も引き続き、ホーチミン市の区別の投資地域についてベトナム人の目線で掲載いたします。

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連載ASEAN諸国で最も熱いベトナム――現地から探る不動産投資と事業の可能性

SHINY REAL Co., Ltd. President

沖縄県宮古島生まれ。久留米工業大学を卒業後、トヨタグループ系列の株式会社アイチコーポレーション入社。特殊車両メーカーの営業部門で16年勤務。
2004年、商談で訪れたベトナムホーチミンに魅了され、独立起業、単身にて渡越。 2006年、取引先の製薬会社と合弁で排水処理会社を設立。
国営事業であるホーチミン市病院排水処理事業の入札業者として認証を受け、在籍中235ヶ所の病院排水処理を手掛ける。
2012年、合弁会社の株を売却。新たに浄排水処理会社としてSHINY VIETNAM社、不動産・建築会社としてSHINY REAL社を設立。
顧客の90%が現地企業やベトナム政府。現地ローカル事業の実績を活かし、ベトナム人コミュニティに入り、浄排水処理事業を手掛ける傍ら、日系大手への環境コンサルタントとしての支援や、現地最大手の不動産デベロッパー、VINHOMESの日系唯一の販売代理店として不動産販売を手掛ける。

著者紹介

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