税負担増加で手残りが減少する「株式譲渡」のケース

退職金ではなく、株式譲渡として支払うと、退職金と比べて税率は大きくなってしまいます。ここでは、具体的な数字をもとに、どれぐらい金額に差が出るかについて解説します。

退職金には住民税もかかる

退職金には個人の住民税もかかってくることを忘れてはいけません。

 

税率は退職所得金額(このケースでは1400万円)の10%で、住民税額は140万円となります。

所得税と住民税を合わせたトータルの納税額は448万4000円です。

この場合、事前に退職金として個人資産に移転した5000万円への税金は約450万円です。

 

もし、この5000万円を退職金ではなく、株式譲渡としていた場合、その税率は既に述べたように20%になるわけですから、5000万円×20%=1000万円の税金がかかっていたはずです。

 

いかがでしょうか。


5000万円を退職金で支払うことで、手残りは550万円ほど増えることになります。

退職金はM&Aと同時に受け取ることが多い

なお、このようにしてオーナー社長個人に退職金を移転する場合、タイミングとしてはM&Aの最終契約に合わせて株式譲渡と同時に行うことが一般的です。

 

ちなみに、会社の取り決めなどで、退職金額の算定法などを決めて運用してきたケースでは、たとえオーナー社長といえども、その決まりに沿った算出が必要となります。

そのため、1億円や2億円といった額は拠出できない(しにくい)場合もあります。

本連載は、2013年7月2日刊行の書籍『オーナー社長のための会社の売り方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載オーナー社長のための会社の売り方

GTAC(ジータック)とは、株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/(写真は代表取締役の山下征孝)

著者紹介

オーナー社長のための会社の売り方

オーナー社長のための会社の売り方

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

オーナー社長にとって、会社人生の最後で最大の仕事こそが事業承継。創業以来、長年に渡って経営してきた会社を次代に残す。また、従業員の雇用を守りつつ、買い手企業の新たな資本の元で、会社の価値をさらに高めていくことで…

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