スリランカの都市計画で活用が期待されるビッグデータ

写真:GTACスタッフ

情報通信技術を駆使し、効率的なサービス提供や施設の分布を可能とするスマートシティ構想。スマートフォンによる情報インフラが整備されていない地域であっても、携帯のメール機能を活用すればスマートシティは推し進められると言います。しかし一方で、政府のこの政策には不透明な点が多いという問題も残っているようです。

人々の動きをデータ化して公共サービスを効率化

インフラ専門家であるRohan Samarajiva博士は、スマートフォンのみに頼ったフィードバック機能による公共サービスの効率化は、そもそもスマートフォンや情報インフラの普及が必要とされる地域では、着手すべき施策の優先順位を狂わせることになると警告する。その一方で、携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)を採用すれば、社会的地位や所得層問わず、ほぼ全員とつながることが可能になるだろう。

 

効率的な都市計画には、人々による道路・駅・市場・公園などの具体的な都市環境の利用状況を洞察する必要がある。匿名かつ集約された携帯電話の利用パターンは、他の局地的知識と併せて解釈することで、都市環境の利用パターンを見定める手助けになり得る。そして計画立案者は、人が多く集まるエリアに多くの資源やサービスを集中させることが出来る。

 

そのため、ここ2年でSamarajiva博士によるシンクタンクLIRNEasiaは、このパターンを見つけるためにモバイルネットワーク・ビッグデータ(MNBD)の解析を進めてきたのだ。

ベールに包まれたままの政策決定のプロセス

「スマートシティ」について話してきたものの、スリランカのいかにメガポリス計画を進めていくつもりかはまだ明らかではない。様々な決定を下すために公開討議も行われている以上、コンセプトが明確であることは必須だ。

 

新しく就任した都市・水資源計画担当のRauf Hakeem大臣は、スリランカ初のスマートシティとなるのは中央部に位置する古都キャンディだと述べている。それはキャンディがHakeem大臣の選挙地区だからなのだろうか。どのような条件のもと、どのような理由でこの決定が下されたのか、明らかにされる必要があるだろう。

 

いずれにせよ、高層ビルやハイテクな施設の建設に緑化さえすれば、都市が出来あがるというわけでは決してない。スマートシティに至っては尚更そうだろう。


次回は、この先スリランカが都市化を図るにあたり必要な考え方をご紹介します。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年10月に掲載した記事「Big Idea – The City – Megapolis Not a License for Megalomania」を、翻訳・編集したものです。

『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

著者紹介

連載スマートシティへの転換を目指すスリランカの都市計画

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