今回は、「セブン銀行」の将来の事業環境について予測します。※本連載では、日本証券アナリスト協会検定会員である松下敏之氏、高田裕氏の著書『外資系アナリストが本当に使っている ファンダメンタル分析の手法と実例』(プチ・レトル株式会社)の中から一部を抜粋し、セブン銀行(証券番号:8410)の株式分析を練習問題形式で解説します。

当社・取引先の「決算説明資料」をチェック

問題5.将来の事業環境を予想しよう


▶将来の事業環境はどうなっていくでしょう?
▶プラス要因は? マイナス要因は?

 

アドバイス


セブン銀行のウェブサイトを見たり、ニュースを読んだり、会社が発行する有価証券報告書や決算説明資料、アニュアルレポート等を読んでみましょう。グループ会社のセブンイレブンの決算説明資料を読むことも大切になります。取引先である銀行や消費者金融、競合であるローソンやファミリーマート、ポプラ等のコンビニエンスストアの決算説明資料も読んでみましょう。

規制動向・景気状況に左右される「金融業界」

アナリストはこう見る!

 

セブン銀行を取り巻く環境を分析するには、顧客である銀行業界と消費者金融業界に加えて、ATMが設置されるセブンイレブンが属するコンビニエンスストア業界の3つの事業環境を分析しなくてはいけません。金融業界と消費者金融業界は規制動向や景気状況に左右されており、不透明な部分が多く、人によって想定が大きく異なることでしょう。保守的に見るのであれば、現在と変わらないと考えるのも1つの方法だと思います。

 

特にコンビニエンスストア業界の動向はとても大切です。コンビニ業界はセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンと3つに大きく集約されつつあります。このことは、(1)日本全体で新規出店の余地がすでに小さくなっていることを示すと考えるべきでしょうか。もしくは(2)この3つの規模が大きくなって、地方に存在している比較的小さいコンビニエンスストアのシェアを大手が奪っていくと考えるべきでしょうか。

 

広島に行けば、コンビニと言えば「ポプラ」ばかりだった以前に比べて、セブンイレブンをたくさん見かけるようになってきました。セブンイレブンを見る度に、ポプラの炊飯器から直接入れてもらえるご飯が減っているのかと寂しい思いになってしまいます。

 

話がそれてしまいました。(1)や(2)、その他にもどんな将来の状況が想定できるか、各自で考えてみましょう。

本連載は、2017年7月1日刊行の書籍『外資系アナリストが本当に使っている ファンダメンタル分析の手法と実例』(プチ・レトル株式会社)から一部を抜粋したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者ならびに本連載制作関係者はその責を負いません。

外資系アナリストが本当に使っている ファンダメンタル分析の手法と実例

外資系アナリストが本当に使っている ファンダメンタル分析の手法と実例

松下 敏之,高田 裕

プチ・レトル株式会社

個人投資家向けに紹介するには難易度の高かったファンダメンタル分析の手法を、現役・外資系運用会社アナリストの著者が、ケーススタディを通して徹底解説。 実在の企業を取り上げて、著者がスクリーニングからバリュエーシ…

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