高齢者ケアの拠点へ…地域包括支援センターを周知する試み

前回は、地域の高齢者を救う「地域包括支援センター」の役割を紹介しました。今回は、「地域包括支援センター」が行った認知度を広げる試みについて見ていきます。

民生委員との関係を強化した結果、相談件数が増加

事例:津中部南地域包括支援センター

 

地域包括支援センターの活動を地域の人々に知ってもらう

 

●「民生委員」「老人会」「自治会」との関係強化

●地域活動への積極的な参加

●広報紙の制作・配布

 

私の法人では、三重県津市から委託を受けて地域包括支援センターを運営しています。この地域包括支援センターは、高齢者のための公的な相談窓口です。介護施設に併設されているため、地域の高齢者たちから「困ったらセンターに相談に行けばなんとかなる」と思ってもらえるような「地域の高齢者ケアの拠点」を目指して活動を続けています。

 

しかし、まだ地域の高齢者やそれをとりまく家族から十分に認知されているとはいえないのが実情です。そこで介護施設内に高齢者の相談窓口があることを、地域の住民に向けて徹底的に周知することにしました。

 

1つめは「民生委員との関係強化」です。

 

民生委員との連絡を密にとるために、職員は毎月公民館で開催される民生委員の月例会に出席し、地域包括支援センターのPRや、民生委員からの相談に対する近況報告などを行っています。このような活動を続けるうちに、民生委員と互いの顔が見える関係になり、民生委員からの相談が毎月5~6件に増えました。

 

2つめは「老人会との連携強化」です。

 

地域の老人会会長に連絡をとり、センターのPRを行いました。これをきっかけに老人会長全体会議にも参加できるようになりました。また、老人会に定期的な健康教室を提案し、次年度の健康教室開催へとつなげています。

「自治会との接触」を積極的に行い、存在をアピール

3つめは「自治会との接触」です。

 

自治会の会長は非常に多忙ですが、何とか約束をとり、自宅を訪問して、コミュニケーションをとりました。関係性が築けると夜19時からの自治会長定例会議に誘われ、そこでセンターのPRの時間をもらえるようになりました。

 

さらに、地域包括支援センターで発行している6・10・2月発行の広報紙「包括支援センターナビ」を地域の回覧板に挟む許可をもらい、住民の皆さんに読んでもらうことができるようになりました。

 

これら3つの取り組みを経て、老人会の会合に日程を合わせた健康教室の開催、防災訓練や介護保険勉強会の実施、ふれあいまつりなどへの参加などにより、地域包括支援センターの存在をアピールすることができました。

 

また、地域のショッピングセンターの職員を対象に、認知症サポーター養成講座も開催しました。

 

こうした認知活動を行うことで、地域の人々に「何かあったらセンターへ」さらには「何もなくてもセンターへ」といってもらえるような地域包括支援センターとなることを目指しています。

本連載は、2017年8月26日刊行の書籍『利用者満足度100%を実現する 介護サービス実践マニュアル』から抜粋したものです。

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連載「利用者満足度100%」を目指す! 介護施設運営の基礎知識

社会福祉法人洗心福祉会 理事長
学校法人洗心學舎 理事長 

1948年、三重県生まれ。
1972年三重大学生物資源学部を卒業後、津市役所を経て1993年4月豊野福祉会(現・洗心福祉会)理事に就任。1996年11月に洗心福祉会常務理事、1998年洗心福祉会常務理事・評議員、2004年11月洗心福祉会理事長に就任。2014年洗心學舎理事長に就任し、現在に至る。
三重県・滋賀県で約40の福祉・医療施設を運営し、保育・介護・障がい・医療と幅広い事業を通して地域福祉の発展に貢献。安心と健康をモットーに、地域福祉の拠点となるため尽力している。

著者紹介

利用者満足度100%を実現する 介護サービス実践マニュアル

利用者満足度100%を実現する 介護サービス実践マニュアル

山田 俊郎

幻冬舎メディアコンサルティング

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