前回に引き続き、賃貸マンションのメンテナンスを管理会社へ委託するメリットを取り上げます。今回は、委託費用などについて見ていきましょう。※本連載では、フィルコ株式会社 代表取締役・芝辻保宏氏の著書、『賃貸マンション 管理会社VS自主管理』(株式会社澪標)の中から一部を抜粋し、不動産賃貸経営における、「管理会社への委託」と「自主管理」、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

多くの管理を行えばスケールメリットも出てくる

前回の続きです。

 

4 委託費用 〜コストパフォーマンス〜

 

管理を委託する料金は、次の業務により区別されています。

 

(1)プロパティマネジメント(PM)業務

(2)ビルマネジメント(BM)業務

(3)リーシング(空室募集)業務

 

管理会社はある程度管理数のボリュームを抱えているため、プロパティマネジメント(PM)業務やビルマネジメント(BM)業務における費用は低減することが可能です。

 

(1)プロパティマネジメント(PM)業務は契約内容によって異なりますが、一般的には賃料収入の5%〜7%程度の管理委託費用となります。大規模な物件などであればさらに低い設定にされる会社もあるでしょう。

 

[図表]管理委託費用の一例

 

これは物件Aでも物件Bでもそれぞれ一棟だけを管理していてはとても採算が合わない金額です。仮に人を一人雇うとしてもこの月給では雇えないでしょう。

 

しかし、不動産管理会社は多くの物件を管理することでスケールメリットが出てきます。委託する側からすると決して高い金額ではなく、むしろ割安感はあります。

ビルマネジメントも協力会社が多ければ価格抑制に

(2)ビルマネジメント(BM)業務は各業務において、特に専門的な業務になるため、昇降機設備や消防設備などを始め、自社で管理をするわけではなく、協力会社に委託するケースが多いようです。

 

各協力会社も取引の件数が多くなれば単価を下げることもありますので、大手企業が数多く取引をしていればこちらもスケールメリットは出てくる場合もあります。

 

法定点検ができる有資格者に点検を定期的にお願いするという意味ではある程度の対価は必要ですので、対価を払える収入があるのであればこれに対するメリットはかなりあります。

本連載は、2017年6月10日刊行の書籍『賃貸マンション 管理会社VS自主管理』(株式会社澪標)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

賃貸マンション 管理会社VS自主管理 ~大空室時代を生き抜く賃貸経営術~

賃貸マンション 管理会社VS自主管理 ~大空室時代を生き抜く賃貸経営術~

芝辻 保宏

株式会社澪標

人口の減少、住宅の供給過多の中、不動産賃貸経営はより一層厳しい環境にさらされています。 これからの賃貸経営の勝ち組になるにはどうすればいいのか。不動産業界に20年以上携わってきた筆者が不動産賃貸経営における悩みを…

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