賃貸マンション経営で「管理会社」に委託するメリットとは?②

前回に引き続き、賃貸マンションのメンテナンスを管理会社へ委託するメリットを見ていきます。※本連載では、フィルコ株式会社 代表取締役・芝辻保宏氏の著書、『賃貸マンション 管理会社VS自主管理』(株式会社澪標)の中から一部を抜粋し、不動産賃貸経営における、「管理会社への委託」と「自主管理」、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

複数の人間がチェックするため問題の見落としが少ない

前回の続きです。

 

2 チェック機能

 

ご自身で賃貸経営されている方も、そうでない方も物件に立ち寄る頻度はどれくらいでしょうか。物件の隣に住んでいる方は毎日のようにその物件に立ち寄り物件を見ていることでしょう。

 

日々見ている中で異常が起こることがあります。大きな異常や些細な異常、毎日見ている方でも見落としてしまうようなことも多々あります。これを二重、三重にチェックしてくれるのも不動産管理会社の役割です。

 

特に建物の防水や給排水設備などの設備類の劣化は、入居者の生活に直結するところですので、これらの見落としは大きな損害に発展します。

 

日頃の点検やメンテナンスにより躯体や設備の劣化速度が違ってきます。また日頃点検をしていると小さな異常があった時に早めの手当てをしてあげることができますので、大怪我になるのを避けることができます。

 

大家さん一人の目だと毎日を同じように過ごすことで慣れてしまい見落としてしまうことや、どんなに注意深く見ている方でも一人の目だとやはり見落とすこともあるでしょう。

 

不動産管理会社に全てを委託した場合、不動産管理会社の営業マン・設備メンテナンス部門の技術者・日常または定期に清掃をしている清掃員など、関わる人が多くなることによってそのチェックの目も増えますので、大家さん一人でチェックするよりもより広い範囲と細かい部分と確認することができます。

 

また、建物以外にも家賃の集金など経理関係も不動産管理会社には経理担当者がおりますので、入金漏れのチェックや滞納者への素早い督促も対応することができます。

不動産業者間のネットワークの活用で良い業者を選別

3 業者ネットワーク

 

建物の修繕や日々の点検、メンテナンス、管理員や清掃員、突然のトラブルの対応、そして空き部屋の募集活動。これら全てを管理会社の担当者が自ら行うものではありません。

 

建物の修繕は建築会社やリフォーム会社、日々の点検やメンテナンスはメンテナンス業者、管理員や清掃員は清掃会社、第三者委託や提携業者による協力は欠かせません。

 

これらの協力業者間ネットワークを多く持っていることで、金額を比較してコスト削減につなげたり、各業者の得意分野などそれぞれの特性を見ることができます。

 

昨今はインターネットの発展により、各種業者を探すことが容易になりました。例えば「水道修理地域名」と検索すれば数多くの検索結果が出てきます。

 

企業側もホームページの作成に力を入れていますので、会社概要はもちろん、企業理念や修理の流れなども簡単にわかります。

 

金額などもわかりやすく表示されていたり、フリーダイヤルも用意されていますので親切です。

 

しかしながらこの業者が良い業者なのか悪い業者なのかは実際に取引をして見ないとわかりません。

 

実際にホームページに表示されていた金額で修理できると思っていたら、追加工事などが出てきて思いの外高くなってしまったとか、金額が安いからとお願いしたら対応がずさんだったなどの失敗例は多くあります。

 

もちろん不動産管理会社も失敗例はあるかと思いますが、これも経験値により払拭されるものです。

 

また、空き部屋が出た際の入居者募集活動については、ある特定の不動産会社に任せることもあるでしょうが、やはり不動産業者間のネットワークを駆使することで早期の空室解消を達成することができるのです。

 

国土交通省の統計データによると2016年3月31日現在の全国の宅地建物取引業者の数は法人・個人併せて123,307業者あります。

 

全国で最も多いのは全国の20%近くを占める東京都で24,031業者。次いで全国の約10%を占める大阪府で12,448業者ありますので、このネットワークを使わない手はないでしょう。

 

不動産業界というところは閉鎖的です。これだけインターネットなどの情報化社会になっても、情報交換がなされているのは不動産業界内だけで、不動産業界外への情報開示はほぼ行われておりません。つまり不動産の売買、賃貸借については、不動産会社に依頼しないと取引ができないという形を未だに続けているのです。

 

結果的に不動産賃貸業においても、不動産会社に依頼しない限りは不動産賃貸経営がしにくい環境にされてしまっているので、この不動産業界のネットワークを活用することは欠かせないものとなっています。

 

この不動産業者間のネットワークと営業活動を駆使して、空室期間を最小にし利益率の向上につなげていくのです。

本連載は、2017年6月10日刊行の書籍『賃貸マンション 管理会社VS自主管理』(株式会社澪標)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載管理委託? 自主管理? 大空室時代の賃貸物件「管理」術

フィルコ株式会社 代表取締役 宅地建物取引士

コンピュータ専門学校卒業後、コンピュータシステムの会社に勤務。その後、大手不動産会社に転職。不動産賃貸管理の部署に配属され、主に一棟アパート・マンションの管理業務に携わる。
またグループ会社への出向等で業務の幅を広げ、賃貸管理の受注業務、区分所有建物や一棟アパート・マンション、駐車場などの売買業務を経験し、多くの資産家と出会う。
しかし一社員としての仕事に限界を感じ、更なるステップアップを目指し、不動産賃貸物件にとどまらず、不動産の有効活用や不動産の売買などの不動産資産を通じて資産家の悩みを相談できるコンサルティング会社としてフィルコ株式会社を設立、代表取締役に就任。

著者紹介

賃貸マンション 管理会社VS自主管理 ~大空室時代を生き抜く賃貸経営術~

賃貸マンション 管理会社VS自主管理 ~大空室時代を生き抜く賃貸経営術~

芝辻 保宏

株式会社澪標

人口の減少、住宅の供給過多の中、不動産賃貸経営はより一層厳しい環境にさらされています。 これからの賃貸経営の勝ち組になるにはどうすればいいのか。不動産業界に20年以上携わってきた筆者が不動産賃貸経営における悩みを…

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