前回は、保険アドバイザー選びのポイントとして、取扱い保険の種類を取り上げました。今回は、保険の取扱実績から保険アドバイザー選びのポイントを見ていきます。

保険販売担当者の実績を知る「4つの目安」とは?

前回の続きです。

 

②取扱実績が多いか

 

どのようなビジネスでもそうですが、販売実績の多い人からのほうが質の高い提案を受けられる期待は高いものです。保険販売担当者の実績を知るための目安としては、主に以下の4つがあります。

 

1:保険会社からの表彰

2:保険会社の代理店サポート部からヒアリング

3:MDRT

4:FP資格

 

まず1つ目の、保険会社からの表彰についてです。保険会社や保険代理店に行くと、ランキング表や表彰状などが飾られていることがあります。そういったものを目視することができれば、販売実績についての情報収集が可能です。ただし、あくまで売上があがっているというだけの証拠のため、正しい提案活動をして獲得した売上であるかどうかまでは読み取れません。

 

次に2つ目です。保険代理店は、「ソリシター」や「ホールセラー」と呼ばれている保険会社の代理店サポート部隊から、日々販売支援を受けています。彼らは、新商品の案内、集合研修会や個別研修会の開催、健康診断の手配や申込書類の作成・受領など、保険代理店が適正な販売活動を行えるよう支援をしています。

 

そのため、代理店サポート部隊に所属する社員は、保険代理店の内情をよく知っています。また転勤が多い職種でもあるため、北海道から沖縄にいたるまで、日本全国の保険代理店に詳しい人も多くいます。そういう人に話を聞くことができれば、保険代理店や販売担当者のことを、正しく知ることができ、良きアドバイザー選びにつながりやすくなります。

世界的な表彰組織「MDRT」では3段階のランクが存在

次に、3つ目のMDRTについてです。これはアメリカに本部を置く、保険販売担当者の世界的な表彰組織のことです。MDRTは「Million Dollar Round Table」の略称で、日本語では、「100万ドル円卓会議」とも呼ばれています。発足は1927年と歴史ある組織でもあり、全世界の保険販売担当者を対象にして、年間保険販売額の多い人を表彰しています。

 

MDRTには、3段階のランクがあります。以下がそのランクとして認められるための条件の1つです。

 

●一般資格・・・保険販売におけるコミッションが年間9万4000米ドル以上

●COT資格・・・保険販売におけるコミッションが年間28万2000米ドル以上

●TOT資格・・・保険販売におけるコミッションが年間56万4000米ドル以上

 

仮に1人の顧客から、医療保険1件の契約を獲得し、5000円のコミッションを受け取った場合、単純計算で1900人から契約を獲得すれば950万円のコミッションとなり、1米ドル=100円のレート計算であれば一般資格が付与されます。しかし、1900人に契約してもらうことは非常に困難ですから、保険料の単価をあげた営業活動が求められます。

 

一般資格は1社専属の保険会社においても、通常は数十名の該当者がおり、顧客に富裕層が多い銀行などでは、窓口で販売している新卒の行員でも十分に達成できる条件です。ただ資格の認定を受けるかどうかは任意なので、銀行などでは、条件を満たしていても認定を受けていない場合が大です。

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